過去ログ - ほむら「死神……か」
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5: ◆H5DcZ7AtN.[saga sage]
2012/09/24(月) 22:08:23.39 ID:Kgvge6IV0
一方で、私はこの趣味に多少の誇りのようなものを持っています。
モデルの人と話していくうちに、垣間見るその人の笑顔のかけら、それらを組み合わせて
最高の笑顔を想像し、創造します。
写真の場合、肌の色は誤魔化せますが、表情までは偽ることはできませんが、絵なら絵具と輪郭線、筆遣いでどうにかできます。

都合のいい幻想かもしれませんし、暗い現実から見れば眩しすぎる夢だ、とも思います。
それでも、完成した作品を渡したときに見せてくれる、絵の中のような笑顔が忘れられなくて、私は描き続けました。

そして今、描いているのが、おそらく最後。通信教育を主に受けてきた私は、学校というものがよく分かりません。
一時は、ミッション系の学校にいましたが、直ぐに体調を崩してしまいました。
だから少なくとも、学校生活が落ち着くまでは、絵とお別れしなければいけません。

自分の趣味へのお別れのあいさつの代わりに精一杯、男の子を描きます。
男の子、若しくは翼をもぎ取られた鳥、事故で未来を閉ざされた天才。
彼のことが妬ましくないか、と問われれば嘘になる。外へ踏み出す翼でさえ、私は持っていなかったのだから。

それでも、彼と話しているうちに、彼のバイオリンへの強い思いを知ることができた。
彼の部屋を訪ねる度に、周りの彼に対する心配や期待を知った。

だから私は描く。舞台の上でバイオリンを奏でる彼と、彼に寄り添う蒼い髪の女の子を。



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