過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」京太郎「その7ですね（裏声）」【龍門渕】
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291:>>290いいですよね ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/09/27(木) 22:33:55.29 ID:4f4EmOxi0
――瞳を濡らしていた。

透華「きょう……たろ――」

透華「……っ」

ぱっと、すぐに俺に背を向け、ごしごしと腕で顔を拭っていた。

透華「……」

透華「こんなところまでどうしたんですの？」

そして振り返る彼女はいつもと変わらない――いや、いつもを演じるような顔だった。

京太郎「……別に」

京太郎「俺も風を浴びに来ただけです」

無意識に、そう言葉が続いた。

おかしいな、こんなことを言うつもりじゃなかったのに。

透華「そうですの」

すぐ彼女は俺に背を向けた。

……俺は彼女の隣へと歩いた。

そして、同じ、半分欠けた月を見上げた。

透華「……」

京太郎「……」

言葉が出ない。

傍から見たら俺達はいい雰囲気に分類されるのだろうか。

……邪魔、だったかな。

彼女だって一人で整理したいことはあったはずだ。

そこに俺が来てしまった。

……心配してここまできたというのに、相手に迷惑をかけるだけだったのだろうか。

透華「……少し、話をしても――」

透華「――いえ、話をしましょう」

京太郎「……ええ」

透華「……先ほどの麻雀」

透華「素晴らしいうち筋でしたわ」

京太郎「ありがとうございます」

透華「衣も一も、少し前よりいい打ち方をしていますわ」

透華「……私は」

透華「私は、焼き鳥だった」

透華「いえ、焼き鳥よりもひどい……泣くことすらできなかったんですもの、鳥にすらなれませんでしたわ」

京太郎「……」

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