過去ログ - ほむら「アリゾナは」杏子「今日も暑い」
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34: ◆2GQkBO2xQE[saga]
2012/09/27(木) 23:25:34.16 ID:D0G2CLBIo
「《ウインドトーカーズ》!! 奴等の内臓を引きずり出せ!!」

『レッドガール』がパイプを吹くと、戦慄する二人の視界を猛烈な紫煙が覆い尽くした。

「杏子!」
「わかってら!」

――瞬転。ほむらが直感だけで引き金を引くと、そこには翼を広げた大鷲の爪。
深い煙の中にありながらも敏感に殺気を感知して放たれた弾丸は、翼長二メートルにも達する鷲の体を貫通した。

『KIEEEEA!!』
「ちッ――!」

だが、大空の覇者は健在だった。
鉛の弾丸は確かに猛禽の翼を切り裂いたが、穴の空いた箇所は紫煙が渦巻く空洞であり、そこには一滴の血液も見当たらない。

――魔力による、使い魔の生成と遠隔操作。
操作される下僕の性質によるとはいえ、本体を叩かない限りは永遠に戦闘が続きかねない厄介なタイプの魔術式だ。

 瞬間的に分析と判断を済ませたほむらは、両掌に魔力を集中。
ぱん!と音を立てて手を叩くと、手榴弾にも匹敵する衝撃波が紫煙を排除。
周囲の視界を得ると同時に煙の大鷲を制したほむらは、女を指さして高く叫んだ。

「行くわよ杏子!Nomercy! (容赦無し)」
「突撃了解!  NoRespite!(休み無し)」

鋭牙を持った兎の群れを、大地を踏みしめた衝撃で打ち消した杏子がボウルを投げ捨て、赤い稲妻となって女に迫る。
 
「盗人風情がナメんじゃないよ! 《ノイジー・ラヴァーズ》!!」
「させない!」

 ハチドリの群れがけたたましい音を立てて殺到し、杏子の目玉をえぐり出そうするが、ほむらは弓籠手を携えた左拳を一閃。
放たれた紫色の極光は、あたかも蜘蛛の子を散らすかのようにハチドリたちを霧消させる。

「……目眩まし!? つまんない真似を! ――絞め殺せ《ラトルスネーク》!」

閃光に目を眩ませる女だったが、パイプから吹き出る煙は健在。
切り裂かれた煙は蜷局を巻いた大蛇となって杏子の体に巻き付くと、瞬く間に自由を奪った。

「げっ! まじかよ……!?」
『SHAAAA!!』

背骨をへし折らんばかりの圧力に悶える杏子の首筋に、黒い菱形の模様を持った毒蛇が牙を突き立てた。


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