過去ログ - オッレルス「今日こそ、告白する」フィアンマ「…安価?」
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30: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/09/27(木) 23:51:35.75 ID:+cLB/cA80
《記述し忘れましたが、良識の範囲内で、連投や連続取得はご自由にどうぞ》



だが、今この場所では自分以上にフィアンマが怯えているのである。
となれば、彼を好いている自分が支えるのは当然の事だろう。
そう判断したオッレルスは、自分は恐怖を感じていないという態度で、フィアンマの身体をぎゅっと抱き寄せる。

オッレルス「…だいじょうぶ。おれがそばにいるから、」

フィアンマ「…ぅ、」

じわじわと染み出す涙を手の甲、服袖で拭って、フィアンマは項垂れる。
女の子の様に叫びこそしないが、本当は大声で泣きたい程怖がっているのだ。
フィアンマよりも身長の高いオッレルスは少し迷った後、向かい合う形でフィアンマを自分の膝上に乗せ、再度抱きしめ直す。
光が怖いのであれば窓から遠ざけるだけで済むのだが、音に関してはどうにもしてあげられない。

オッレルス「…いっしょにいたら、こわくないよ」

フィアンマ「……、」

雷がまた近くで鳴り響き、無言のままに強く抱きついたまま、フィアンマはこくこくと頷く。
雨はともかく早く雷が治まります様に、と祈りながら、オッレルスはフィアンマのさらさらとした髪を撫でる。
たとえ知識が豊富でも、何だかんだで彼はオッレルスより二歳も年下の、6歳の子供だ。
怖いものは怖いし、逃げたい時は逃げたい。

しばらくの後、雷は治まり、今度は雨の勢いが増した。
軽いパニックを起こしてつい抱きついてしまった事に申し訳なさを感じたのか、フィアンマはゆっくりと離れ、辺りを触って確かめながら、オッレルスの隣に座り直した。
彼が落ち着いてくれて良かったような、いやしかしもう少しくっついていたかったな、と相反する感情から発露する残念さに何ともいえない表情を浮かべているオッレルスへ、フィアンマはため息混じりに謝罪をする。

フィアンマ「…すまなかった」

オッレルス「かまわないよ」

フィアンマ「…、……めいわく、だろう?」

自分にしがみつかれて嫌だったのでは、と落ち込む。
むしろ君に抱きつかれて嫌な人間はほとんど居ないんじゃないか、とは思いつつもその言葉をそのまま口に出す事はせず。

オッレルス「めいわくなんておもったことないし、おもわない。…ちょっとさむかったから、ちょうどいいくらいだ」

フィアンマは優しい性格だから、気を遣わせたくなくて。
そんな理由で用意した甘い言い訳を信じたのか、彼は緩く笑んで頷いた。
たとえオッレルスが嘘をついていますという顔をしていても、彼には見えはしないのだ。だから、バレない。





午後五時を告げる鐘が鳴り。
雷に打たれはしないかと不安がるフィアンマを宥めたオッレルスは、家に帰った。
びしょ濡れになってしまったが、そんなに気分は悪く無い。

オッレルス「…いいにおいだったな」

お菓子の様な、とまではいかないけれど、存外甘い匂いがした。
それが石鹸の匂いなのか体臭なのかはさっぱり不明だけれど。
まるで女の子みたいだ、と思いつつ、いやしかし彼は女の子の可能性もあるのだ、と思い直す。
今度性別を聞いてみよう、と決意して、目を閉じた。




明日は何を持って行く?>>+2



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