141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2012/10/04(木) 11:04:21.04 ID:Wem+812yo
孤児院のガキどもよりつまらないヤツがこの世の中にいるなんて、杏子は思ってもみなかった。
でもそれはドラコ・マルフォイに出会うまでの話だ。
一年生ではグリフィンドールとスリザリンが一緒のクラスになるのは魔法薬学の授業だけだったので、
グリフィンドール寮生もマルフォイのことでそれほど嫌な思いをせずにすんだ。
少なくとも、グリフィンドールの談話室に「お知らせ」が出るまではそうだった。掲示を読んでみんながっくりした。
――飛行訓練は木曜日に始まります。グリフィンドールとスリザリンとの合同授業です――
「あーあ。マルフォイ君の目の前で箒に乗って、物笑いの種になるんだよ」
何よりも空を飛ぶ授業を楽しみにしていたまどかは、失望した。
「そうなるとはかぎらないわよ。アイツ、クィディッチがうまいっていつも自慢してるけど、口先だけだよ」
さやかの言うことはもっともだった。
マルフォイは確かによく飛行の話をしたし、一年生がクィディッチ・チームの寮代表選手になれないなんて残念だとみんなの前で聞こえよがしに不満を言った。
マルフォイの長ったらしい自慢話は、なぜかいつも、マグルの乗ったヘリコプターを危うくかわしたところで話が終わる。
自慢するのはマルフォイばかりではない。中沢は子供の頃いつも箒に乗って、田舎の上空を飛び回っていたという。
魔法使いの家の子はみんなひっきりなしにクィディッチの話をした。
まどかも、さやかも、ついでに恭介もこれまで一度も箒に乗ったことがなかった。そのことで少し引け目を感じていた。
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