過去ログ - 【微安価】久「麻雀を?」京太郎「ええ、教えてください」
1- 20
605: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2012/10/05(金) 20:30:56.17 ID:ZQDJBcNeo

京太郎「……ふう」


 ふと、空を見上げる。そろそろ昼どきか。

 時間を潰すのも兼ねて……どこかで、昼飯でも食べるには丁度よい。

 折角、こんな場所まで遠出しているのだ。何か、ちゃんとしたものでも食べたい。

 大きな神社の周辺の飯屋は観光客に向けるものもあり、美味い店が多い。

 そういう意味でも、これはいい機会だろう。


京太郎「それにしても……あんな車のお参りで、バチは当たらないよな、まさか」


 高校を卒業し、大学に入ったものの、それも中退。

 何とかバイトをして学費を稼いでいたが、どうにもそれではやりきれなくなった。

 とにかく、県外に出たかった。

 そんな我侭の為に、親に余分な金を使わせるわけにも行かない。両親とも、許そうとしなかった。

 逃げるように故郷を飛び出し、挙句の果てに大学も中退し、いまや風俗関係の運転手だ。

 なんだか、笑えて来る。一体どこで、道を踏み外してしまったんだろうか。


京太郎(なんだか湿っぽくなっちゃったな……)

京太郎「……それより、飯だな。飯にしよう。俺は腹がぺこぺこなんだ」


 秋口のこの涼しさと、湿気に遮られなくなった太陽の光は、

 どうにも現実感というものを失わせて、どうでもいい事を考えさせてしまう。

 自分の腹に話しかけて気を紛らわせた。

 途中擦れ違った参拝客が、小さく笑う。どうやら独り言が聞こえてしまっていたらしい。

 気恥ずかしさと共に、神社から離れるように道を下る。確か、あの辺りに飯屋はあった筈だ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/550.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice