過去ログ - 梓「フリースタイル」
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19:◇qq7WYD933[saga]
2012/10/02(火) 14:07:25.89 ID:vVW3xfOY0
「私の想いだけどね……、多分、ずっと伝えられないと思う……。
伝えない気がするんだ、私。
勇気が無いってのもあるし、これでいいのかって迷ってるのもあるんだけど……。
でも、やっぱり、私の想いを伝えて困らせたくないんだよね……。
先輩達は皆優しくしてくれるし、私が女の人の事を好きだって知っても、優しくしてくれると思う。
私の事を大切にしてくれると思うよ。

だけど、先輩達、私の気持ちを知ったら困っちゃうと思う。
私の好きな先輩達を困らせちゃう。
それは嫌だから……、凄く嫌だから……、
だから、ずっと伝えられないままなんじゃないかな……」


それは私の出した答え。
自分の想いに気付いて、悩み続けてようやく出せた答えだった。
私は自分のせいで先輩達を困らせたくない。
唯先輩も、律先輩も、澪先輩も、ムギ先輩も、誰も困ってほしくない。
だから、私は私の想いを胸の中に、鍵を掛けて仕舞い込んだままにしておくんだ。

純は私の言葉を聞き終わって、
何事かを頷きながら考えてたみたいだけど、すぐに何でも無い事みたいに私に返した。


「それってつまり、自己満足なんじゃない?」


普段通りの口調と普段通りの語調で、微笑みさえ浮かべて純は言った。
前々から分かってはいた事だけど、本当にマイペースな子だなあ、と思った。
普通はこんな言いにくい言葉を歯に衣を着せずに言えるなんて、そうそう出来る事じゃないよね。
こんな事を続けてたら、友達がどんどん減るってば、純……。

いきなり自己満足って言われて、私自身も結構胸が痛くなった。
突然の指摘にちょっと悲しくなっちゃうくらい。
でも、いつの間にか私は苦笑してしまっていた。
うん、そうだ……、そうだよね……。


「かもね……、ううん、きっとそうだと思うよ、純。
先輩の事を困らせたくないって気持ちは本当だけど、やっぱり私の自己満足なのかもしれないね。
本当は先輩達にちゃんと自分の想いを知ってもらった方が、
その方が先輩達も嬉しいって考えてくれるかもしれないよね……。
でも、私は……」


そうやって、私が思うままに言葉を続けていると、不意に純が私の頭に手を置いた。
何度か私の頭を撫でる。優しく、ほんの少しだけ強く。
それから静かな微笑みを浮かべて、ゆっくり口を開いた。


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