20:◇qq7WYD933[saga]
2012/10/02(火) 14:07:53.59 ID:vVW3xfOY0
「いいんだよ、梓、別に自己満足でもさ。
梓が先輩達を困らせたくないって言うんだったら、それが梓の一番大切な気持ちなんだよ。
恋をしたら告白するだけが人生じゃないもんね。
ずっと想いを抱えたままで生きてくってのも、私はありだと思うよ?
それが梓が悩んで出した答えなんだったら、自己満足でもきっとそれでいいんだよ」
純の言葉にはどう返したらいいか分からなかった。
私の答えを自己満足と言いながら、それを認めてくれる純。
傍から見てると荒唐無稽な気がしたけど、ちょっとだけ肩の荷が下りる気がした。
何だか嬉しかったけど、それを純に直接伝えるのも変な気がした。
私は小さく微笑んで、私の頭を撫でる純の手を軽く振り払った。
「撫でないでよ、もー……」
「あはは、別にいいじゃん、梓。
梓の頭って丁度撫でやすい所にあるし、撫でやすい雰囲気を漂わせてるんだもん。
こりゃ撫でないわけにはいかないでしょ!」
「何それ……」
「と、冗談はさておくとしてもさ、私、思うんだよね。
人を好きになるのも人から好きになられるのも凄く大変な事で、迷惑になる事も多いんじゃないかって。
漫画とかでよくあるでしょ?
『好きになっちゃったんだから仕方ない』って台詞。
先生と教え子とか、同性同士とか、兄弟姉妹の恋愛とか、
不倫関係とかでよく見る台詞だけど、それってすごく無責任だと思うんだよね。
だって、そうでしょ?
好きだから何をしてもいい、ってのはストーカーの理屈じゃない?
人を好きになるのは大切な事だけど、それを言い訳にしちゃったら駄目でしょ」
「それは……そうかも……」
「でしょ?
しかも、そういう台詞って、本人より周りの友達とかが言う事が多いじゃない?
いや、駄目でしょ!
そこは友達として、一緒に一番いい対策を考えてあげる所でしょ!
『好きになっちゃったんだから仕方ない』って言ってる場合じゃないでしょ!
って、いっつも思うんだよね」
妙に熱心に純が拳を固めて力説する。
熱くなり過ぎだよ、純……。
ほら、熱くなり過ぎてるせいか、留めてる髪が乱れて爆発しそうじゃない……。
61Res/39.49 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。