21:◇qq7WYD933[saga]
2012/10/02(火) 14:08:22.84 ID:vVW3xfOY0
でも、嬉しいな……。
純は私の想いを無責任な言葉で放り出さないで、まっすぐ受け止めてくれてるんだ……。
こんな面倒臭い私なのに、私の未来について考えてくれてるんだよね……。
だったら、私ももっと自分の未来について、強く決心しなきゃいけないと思う。
「大体、同性相手の恋愛がどれだけ大変か分かってるのか、って話だよね」
よっぽど語りたい事だったのか、まだまだ熱は冷めないみたい。
私は苦笑しながら、純の熱弁にまた耳を傾けた。
「同性同士だと結婚出来ないし、子供だって出来ないでしょ?
世間の目だってまだそれなりに厳しいし、何よりお父さんやお母さんが困るよね。
まさか自分達の孫の顔が見れなくなるなんて、中々割り切れる物じゃないと思うし。
家族や他人なんて関係無い。自分達が幸せならいい。
……なんてよく聞くけど、そんなの身勝手だよね。
今まで自分を支えてくれた友達や家族も居るのに、全部捨てるなんて酷い話だよ」
「……うん、そうだよね、純。
身勝手な話だよね、だから、私……」
「梓の話じゃないよ。
梓は悩むタイプだもんね。
悩んで悩んで自分の気持ちを隠す決心をしたんでしょ?
私に言われなくたって、さっき言った全部の問題点も考えてたはずだもん、梓は。
梓は真面目で融通が利かなくて色々面倒臭い所がある子だけど、でも、優しい子だもん。
家族や私達や先輩達の事を考えて、今の恋は黙っておく事にしたんだと思うから。
だから、私が梓に出来る事はそれを応援する事だけだよ」
「ありがとう、純……。
でも、今の恋……って?」
「今の恋だけが人生じゃないよ、梓。
もしかしたら、また誰かの事を好きになる事があるかもしれないし、
来年入って来る新入部員とかに好きになられる事もあるかもしれないでしょ?
その相手がまた女の人なのか、それとも男の人なのか分かんないけどさ、
いつか梓がまた恋をする事になったら嬉しいな、って私は思うよ」
次の恋……か。
考えたくはないけど、純に言われるとあるような気もしてくるから不思議だなあ……。
勿論、あの人への恋心を捨てたわけじゃないし、
今も変わらず大好きだけど、そういう可能性もあるんだ、って思った。
私がちょっと微笑むと、語り過ぎたと思ったのか純が自分の頭を軽く掻いた。
「勿論、今の恋だって応援してるよ、梓。
先輩達を困らせたくないって梓の気持ちも分かるし、応援してる。
でもね、私としてはそれと同じくらい、あの人に告白してほしいとも思ってるんだ。
先輩達を困らせるかもしれない。
言わない方が今まで通りの軽音部で居られるのかもしれない。
それでも梓が自分の気持ちを告白したいって思ったんなら、私はそれを応援するから!」
「応援してくれるのは嬉しいけど、結局、どっちなのよ、純……」
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