過去ログ - ■ SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)自治スレッド Part7
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970:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/17(日) 20:17:04.69 ID:X613c9Mc0
咲は大分落ち着いてきた。フウ、と一つ小さなため息をついた。

「咲、気分は大丈夫?」

「あ…うん、ゴメンね。 こんなところで…こんな場合じゃないのに…」

そうだ、ついさっき吐いちゃったんだ。そんなトコで…

玉樹は首を横に振った。

「いいよ。出しちゃった方がすっきりするでしょ?
 僕もホント…吐きそうだよ。こんな事になって…」

咲は「そうだ」と呟き、自分のデイパックを引っ張り、ジッパーを開けて中を漁り始めた。中には色々入っていた。食料、水、コンパス、懐中電灯…そして、果物ナイフ。そんなものが入っているとは聞いていないから、これが支給武器、というものだろう。

咲は玉樹の方を見た。ズボンのベルトにはベレッタM92Fが差し込まれていた。

これが銃…初めて見た…

ゴクッと唾を飲み込んだ。

玉樹は立ち上がった。

「とにかくここから離れよう?禁止エリアっていうのになっちゃうし…」

「でも…誰かに会うかも…」

「大丈夫だよ」

玉樹が座って自分の方を見ている咲に手を差し伸べた。そしてにっこり笑った。

「大丈夫。咲は僕が守るから」

咲は自分の顔が真っ赤になっているのがわかった。夜だから玉樹には見えてないよね、よかった。

何とか立ち上がり、デイパックとショルダーバッグを持った咲は、玉樹に手を引かれ、移動を始めた。


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