過去ログ - 【ゆるゆり】撫子「大室家の短編集」花子「だし!」
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925:1 ◆Y79ev7DOE0Zd[saga sage]
2014/03/05(水) 02:45:19.65 ID:5tPegTlho
第449話 反転世界 3

撫子「……」

家に帰っては来たが、私は今玄関の前で立ち尽くしている。というのも、一ヶ月行方不明になっていたなら両親は相当心配しているはずだ。そのまま、「ただいま」と帰ったほうがいいのか、インターホンを鳴らしてワンクッション置いた方がいいのか迷っている。自分の家に入るのにインターホンを押すというのもなんだか変な話だが……

「撫子、そんなところにつったって何やってんの?」

撫子「母さん……」

迷っていたら、母さんが玄関から出てきた。でも、なんだか様子がおかしい。

撫子「母さん、私今まで何してた?」

大室母「は? 何してたってコンビニ行くって言ってさっき出て行ったところでしょ? 意味分かんない事言わないでよ。もう高校生なんだから」

撫子「え……」

意味がわからないのはこっちだ。さっきまでコンビニに言っていた? いや、私は藍を送っていったはずだ。

撫子「コンビニって私、藍を送っていった帰りなんだけど」

大室母「藍って誰?」

撫子「え……? 私の友達の藍だけど」

大室母「え、アンタ友達いたの?」

頭が混乱した。母さんは冗談はいう人ではあるけど、こんな酷い冗談は言わない人だ。

撫子「ねぇ、私さ、3月16日に倒れたことなかった? それからの記憶がないんだけど……」

大室母「はぁ? 本当に大丈夫なの? 倒れても居ないし、別に普通だったわよ」

大室母「病院行った方がいいんじゃない? 本当に頭大丈夫?」

撫子「いや、大丈夫ちょっとどうかしてた」

なんだか冷たい母さんを後目に家の中に入る。自分の部屋に行くとさらに驚いた。

撫子「なに……この部屋……」

おおよそ私の趣味とは思えない漫画雑誌が棚積みになっていた。というか酷く散らかっている。

大室母「アンタその部屋片付けなさいよ」

言われなくとも片付けたい。というか、私の記憶がない1ヶ月のうちに別人が私を乗っ取っていたとしか思えない。信じられない光景だった。

しかし、もっと信じられないものを目にした。

2013年 4月

撫子「え? 2013年……4月……」

カレンダーのページは4月だ。2013年の

撫子「母さん! 今年は何年!?」

もう変に思われようがお構いなしだ。

大室母「そこまでボケてるの!! もう病院行こうか?」

撫子「いいから!!!」

大室母「2013年よ」

撫子「……」

ベッドの上においてある目覚ましを見ても2013年4月15日と確かに書いてあった。

第449話 反転世界 3 終わり


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