過去ログ - 【ゆるゆり】撫子「大室家の短編集」花子「だし!」
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◆Y79ev7DOE0Zd
[saga sage]
2014/03/31(月) 18:45:04.27 ID:T1brDnk/o
第479話 パラレルワールド 6
帰り道
撫子「美穂、ごめん。私、さっきの帰ってこられなくなるって言うのを聞いて及び腰になっちゃった」
美穂「いや、いいよ」
美穂「こっちこそごめん」
撫子「え? なんで美穂が謝るの?」
美穂「もしかしたら、あの世界は私が作っちゃった世界かもしれないから……昨日私とした話覚えてる?」
撫子「世界によって性格が違うってやつ?」
美穂「うん。藍ちゃんと撫子が付き合ってない世界もあるって言ったけど。実は、撫子がめぐみと付き合ってた世界もあるの」
撫子「え……私が? めぐみと? 嘘でしょそれは」
ないないと思いつつ聞いていると、美穂は悲しそうな目をしつつ言った。
美穂「いや、あったんだよ……そして、私と付き合っていた世界も」
今度は面白半分で流せる話ではなかった。
撫子「そっか……」
美穂「なんだろうね。この世界の元々の私は撫子のことそういう風に好きだったはずじゃないのに。別の世界の私の記憶を知ってしまうと」
撫子「ごめん」
美穂「撫子が謝ることじゃないよ。でも、藍ちゃんと仲良くしてて嫉妬してた。あは、自分勝手でしょ私」
撫子「ごめん……ごめん」
美穂「だから、全部私のせいなの。撫子があの世界に飛ばされたのも。あの世界を救えないのも。私のせいだから撫子のせいじゃないよ」
撫子「……それは、それは違う」
必死に否定してしまう。でも、なんで違うと断言できるのかがわからない。
違う? そういえばさっきの占い師さん
美穂「ちがくないって」
撫子「違う。そうじゃない。美穂」
美穂「?」
撫子「さっきの占い師さん少しおかしなこと言ってた。なんで私が帰ってこられなくなるってわかったんだろう」
美穂「それは、あの占い師さんも他の世界の記憶があるから」
撫子「違うそこじゃない。私が帰ってこられなくなったらこの世界はどうなるの? って話」
美穂「え?」
撫子「私は向こうで1週間以上の生活をした。だけど、こっちに帰ってきたときにほとんど、時間が経ってなかった。そして、その間のこっちの
意識はなかった」
撫子「今回私が帰ってこられない事態になったらこっちの私の意識はどうなるの?」
撫子「もっと、言えば私が帰ってこなかったらこっちの世界はどうなっちゃうの?」
美穂「それは……」
撫子「だからさ、これは希望的観測なんだけど、本当は絶対に帰ってこられるものなんじゃないかな?」
美穂「私は、他の世界に行った経験がないからそれはわからない」
撫子「もう一回占い師さんのところに行ってみる」
美穂「……」
撫子「それとさっきの答えなんだけど、あの世界は元々あるもんなんだと思う。美穂のせいじゃない。だから、私が何とかする」
美穂「撫子」
撫子「だから今はもう一回占い師さんのところに行こう」
第479話 パラレルワールド 6 終わり
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