過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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258:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 10:59:13.28 ID:OB2lhOYj0
その先は、真っ黒な空間になっていた。

岬は、荒く息をついて涙を流しながら、
折られた腕の骨を、力任せに元にはめているところだった。

以下略



259:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:00:07.85 ID:OB2lhOYj0


気がついたとき、彼女達は打って変わって爽やかな、
小鳥がさえずる丘の上に立っていた。

以下略



260:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:00:47.97 ID:OB2lhOYj0
くしゃくしゃになった蝶々を広げてみる。

そこには、血液のようなもので雑に、
先ほど流れた音声と同じものが書かれていた。

以下略



261:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:01:25.25 ID:OB2lhOYj0
『お前……』

「廃人になるね。この人」

何でもないことのように言って、汀は面白そうに、
以下略



262:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:02:09.98 ID:OB2lhOYj0
「死刑で殺される人を治して、それで、救ったって言えるのかな?」

『ああ。お前は余計なことを考えず、救えばいいんだ』

「圭介、それは違うよ」
以下略



263:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:02:39.16 ID:OB2lhOYj0
『…………』

圭介はしばらく考え込んでいた。

が、断固とした口調で彼は言った。
以下略



264:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:03:11.04 ID:OB2lhOYj0
<僕は……僕は……僕は……>

<殺してやる! 殺してやるんだみんな!>

<血……ひき肉……>
以下略



265:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:03:43.97 ID:OB2lhOYj0
最後の呟きは、ぐわんぐわんと丘に反響して消えた。

蝶々達は、動きを止めていた。

おびただしい数の蜘蛛が、カサカサと動いて蝶々達を食べ始める。
以下略



266:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:04:15.43 ID:OB2lhOYj0
「医者?」

『医者は人を治す。それが、人を救うということだ。
お前は目の前のことしか見ていない』

以下略



267:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:06:02.26 ID:OB2lhOYj0
「私……私は……」

「なぎさちゃん!」

そこで、うずくまっていた岬が大声を上げた。
以下略



268:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/18(木) 11:06:35.18 ID:OB2lhOYj0
『汀!』

圭介が大声を上げる。

汀は、動きを止めた蜘蛛達に言った。
以下略



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