過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」

過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」－オリジナル小説

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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:35:17.02 ID:Xp8Q5vyA0
空は黒い。

どこまでも黒い。

その真上に、空全体を覆い隠すほどの眼球が、

4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:36:52.59 ID:Xp8Q5vyA0
彼女は、眼前にぽっかりと空いた「穴」の前に進んだ。

穴は、肉の床が崩れ、内部に人間の体内に似たものが見える。

丁度食道を内視鏡で見るかのような感覚だ。

以下略

5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:37:45.98 ID:Xp8Q5vyA0
マイクの向こう側から、まだうら若い青年の声が聞こえる。

「…………」

『おい、汀（みぎわ）、聞いてるのか？』

以下略

6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:38:30.88 ID:Xp8Q5vyA0
『すぐ戻れ！この患者はレベル４だぞ。入り口まで出てこれるか？』

「見つかっちゃったの。逃げられないの」

ゆっくりと、言い聞かすようにそう言って彼女はウフフと笑った。

以下略

7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:39:21.36 ID:Xp8Q5vyA0
「鬼さんこちら！」

ぶちゅり。眼球を踏み潰す。

「手の鳴る方へ！」

以下略

8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:39:57.00 ID:Xp8Q5vyA0
彼女が着ているものは病院服だ。

右から眼球が飛んできて、左の壁に当たって爆ぜる。

嫌な汁と血液のようなものが飛び散る。

以下略

9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:40:32.36 ID:Xp8Q5vyA0
しかし、次の瞬間、眼球が一つ汀の脇腹に食い込んだ。

不気味な音を立てて爆ぜ、彼女の顔に、
パタタタッと音を立てて汁が飛び散る。

以下略

10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:41:14.80 ID:Xp8Q5vyA0
それが爪を立てた子供の手の形になり、
汀の服をむしりとろうとする。

彼女は、口の端からよだれをたらしながら、
しかし楽しそうにそれを払いのけ、また飛んできた眼球をくるりと避けた。

以下略

11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:42:04.35 ID:Xp8Q5vyA0
★

一瞬視界がホワイトアウトした。

次いで彼女は、狭い、四畳半ほどの真っ白い、

以下略

12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:42:58.61 ID:Xp8Q5vyA0
汀は無造作にその前に進み出ると、腰を屈めて、頭を小さな手で掴んだ。

そして顔を自分の方に向ける。

耳も、口も鼻もない。

以下略

13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/16(火) 17:44:14.35 ID:Xp8Q5vyA0
「あなたは、そんなに他人の目が気になるの？」

マネキンはゆっくりと頷いた。

何の音もない空間に、汀の声だけが響く。

以下略

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