過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
1- 20
542:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:41:44.36 ID:byJxhkJD0


汀が目を覚ましたのは、それから数分経ってのことだった。

彼女は目を開き、緩慢にその場に起き上がる。
以下略



543:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:42:21.88 ID:byJxhkJD0
『お前、トラウマと戦ってるうちに、記憶が飛んだんだよ。
大丈夫だ。もう心配はない』

「トラウマと……?」

以下略



544:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:43:00.10 ID:byJxhkJD0
「わ……分かった」

先ほどまでのことを全く覚えていないのか、汀は慌てて周りを見回した。

「異常変質心理壁は……」
以下略



545:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:43:36.35 ID:byJxhkJD0
「……どういうこと?」

『分からん。何かのトラウマだろう。消せるか?』

「やってみる」
以下略



546:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:44:08.54 ID:byJxhkJD0


汀が出歩けるようになったのは、それから八日目のことだった。

彼女は、診察室のドアを開いて、
以下略



547:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:44:44.32 ID:byJxhkJD0
その様子を、圭介は壁にもたれかかり、
腕組みをしながら、表情の読めない顔で見ていた。

「泣かないで。あなたは良くやったわ」

以下略



548:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:46:00.13 ID:byJxhkJD0
圭介が顔を上げ、意外そうな顔をする。

老婆は、しかしにこやかな顔のまま、汀の手にのど飴を握らせた。

「あのねぇ、汀ちゃん」
以下略



549:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:46:36.45 ID:byJxhkJD0
「これ……」

汀は呟いて、そして写真を受け取った。

「これはね、交通事故で死んだ、私の息子が撮ってくれた写真なのよ。
以下略



550:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:47:09.98 ID:byJxhkJD0
「どうして……?」

汀は首をかしげてそう聞いた。

「思い出がなくなったんですよ……怖くないんですか?
以下略



551:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/20(土) 22:47:36.57 ID:byJxhkJD0
「汀ちゃん」

老婆はそう言うと、彼女の肩を叩いて、そっと撫でた。

「大事なのは、『今』じゃないかしら」
以下略



953Res/544.12 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice