過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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761:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:01:29.85 ID:fuTWsXwH0
「……発見された時はこの状態だったそうだ。
肺に達する刺し傷が三箇所。
うち一箇所は、肺を貫通してるらしい。
警察は総力を挙げて、犯人を捜している」

以下略



762:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:02:14.42 ID:fuTWsXwH0
半狂乱になって、汀がヒステリックに喚く。

「せんせが死んだら、圭介も殺してやる! 私が、私が絶対に……」

そこで汀の喉から、カヒュ、と空気の抜ける小さな音がした。
以下略



763:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:02:58.55 ID:fuTWsXwH0
荒く息を吐いて、視線をうつろに漂わせている汀の額に手を当て、
圭介は冷静に懐から注射器を取り出し、それを汀の右手首に注射した。

そして理緒に、小白の入ったケージを渡す。

以下略



764:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:03:34.88 ID:fuTWsXwH0
「高杉先生の時もそうでした……
どうして、そんなに冷たくしていられるんですか!
汀ちゃんの気持ちを考えてあげても……
無理やり眠らせるなんて!
誰だって……誰だって、自分の好きな人がこんな事件に遭ったら、
以下略



765:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:04:29.50 ID:fuTWsXwH0
冷たく理緒の言葉を打ち消し、
しかし視線はあわせずに、圭介は続けた。

「……手術は成功した。命に別状はないはずだ。
今の医療技術を、信用するんだ」
以下略



766:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:05:08.65 ID:fuTWsXwH0
「高畑先生と、大河内先生が話してるところ、聞きました。
汀ちゃんと大河内先生は、絶対に結婚できないって、
高畑先生、断言したじゃないですか!」

「…………」
以下略



767:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:05:50.01 ID:fuTWsXwH0
「特に何も。何も知らない君が、少々滑稽でね」

「こっけい……?」

「ああ。赤十字では教わらなかったのか?
以下略



768:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:06:23.04 ID:fuTWsXwH0
「いいかい。これからも人を治療していきたいと思うなら、
覚えておけばいい。
自殺病にかかった者は、絶対に幸福にはなれない。
何度でも言う。絶対にだ」

以下略



769:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:07:02.95 ID:fuTWsXwH0


赤十字病院のラウンジで、理緒は汀と小白の乗った車椅子を、
日のあたらない場所に設置し、
一人、少し離れた場所で水を飲んでいた。
以下略



770:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:08:59.39 ID:fuTWsXwH0
頭の中がグチャグチャだった。

寝不足と、疲労と、圭介に投げつけられた
言葉の痛みが交互に理緒の胸の中を襲う。

以下略



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