過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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766:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:05:08.65 ID:fuTWsXwH0
「高畑先生と、大河内先生が話してるところ、聞きました。
汀ちゃんと大河内先生は、絶対に結婚できないって、
高畑先生、断言したじゃないですか!」

「…………」
以下略



767:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:05:50.01 ID:fuTWsXwH0
「特に何も。何も知らない君が、少々滑稽でね」

「こっけい……?」

「ああ。赤十字では教わらなかったのか?
以下略



768:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:06:23.04 ID:fuTWsXwH0
「いいかい。これからも人を治療していきたいと思うなら、
覚えておけばいい。
自殺病にかかった者は、絶対に幸福にはなれない。
何度でも言う。絶対にだ」

以下略



769:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:07:02.95 ID:fuTWsXwH0


赤十字病院のラウンジで、理緒は汀と小白の乗った車椅子を、
日のあたらない場所に設置し、
一人、少し離れた場所で水を飲んでいた。
以下略



770:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:08:59.39 ID:fuTWsXwH0
頭の中がグチャグチャだった。

寝不足と、疲労と、圭介に投げつけられた
言葉の痛みが交互に理緒の胸の中を襲う。

以下略



771:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:09:34.57 ID:fuTWsXwH0
理緒と同じくらいの年の頃だろうか。

彼は、売店で買ってきたのか、
手にピルクルの瓶と、菓子パンを数個持っていた。

以下略



772:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:10:08.92 ID:fuTWsXwH0
「お、おかまいなく。私、大丈夫ですか……」

グゥ、と理緒のお腹が鳴った。

整った顔をしている少年だった。
以下略



773:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:10:40.02 ID:fuTWsXwH0
言語障害なのだろうか。

切れ切れに彼はそう言うと、
にこやかな笑顔と共に、自分の分のパンを手で指した。

以下略



774:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:11:24.39 ID:fuTWsXwH0


パンを口に入れ、多少は頭の中が整理できた理緒は、
息をついて少年を見た。

以下略



775:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:12:10.58 ID:fuTWsXwH0
意外と理性的な喋り方をする人だ。

理緒は警戒心を解いて、しかし彼の手に千円札を握らせた。

「お礼です。私の気持ちだと思って、受け取ってください」
以下略



776:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/23(火) 22:12:43.89 ID:fuTWsXwH0
手を差し出すと、一貴は気さくにそれを握り返してきた。

「同業者の方ですよね? どこでお仕事をされてるんですか?」

「ほ……っかいどう。出張……で」
以下略



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