過去ログ - Steins;Stratos -Refine- U
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◆H7NlgNe7hg
[sage saga]
2013/02/21(木) 14:40:04.34 ID:p02BUFyyo
◇
紅莉栖「えっ、えっ……」
戸惑いを隠せず焦る紅莉栖の前には“白式”を纏った一夏の姿がある。
一夏『良し。まず、なにをすれば良い?』
紅莉栖「あっ、ええと……」
落ち着き払った態度で構える一夏。
紅莉栖は状況が上手く飲み込めず目を回していた。
一夏『紅莉栖、俺は力になりたいんだ。仲間の為だったらデータ位いくらでもくれてやるさ』
紅莉栖「……」
どこまでも真っ直ぐな、純粋な一夏の瞳。
打算も計算もない言葉通りの気持ちが伝わってくる。
一夏『さっ、早いとこデータの吸出し? やっちまおうぜ』
紅莉栖「一夏、自分がなにを言ってるのかわかってるの……?」
──ゴクリ。
紅莉栖の喉がなる。
一夏の真っ直ぐな好意は嬉しく思う。
けれど、それをただただ甘受することは出来なかった。
一夏の申し出がどれだけのことなのか、それを教えないと。
このどこまでも純朴な少年の未来を考えずにはいられない。
“IS”の内部情報がどれだけ貴重であるのか、それは国家間の関係を容易に崩すほど大きなもの。
それを“仲間を助けたい”。そんな思い一つで開示することなどとんでもない。
紅莉栖は自己保身に走り、データを受け取るよりも先にそのことで頭の中が一杯になった。
紅莉栖「────から、一夏の申し出は本当に嬉しい。けど、それじゃ一夏が犯罪者に……」
一夏『紅莉栖。俺にとって“仲間”ってのはさ、その国家のなんたらってやつよりも大事なものなんだ』
紅莉栖「……」
説明した。
懇切丁寧に小学校低学年でも理解できるようにまでわかりやすく。
けれど、一夏の態度はかわらない。
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