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808: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2013/02/21(木) 14:40:04.34 ID:p02BUFyyo



紅莉栖「えっ、えっ……」

 戸惑いを隠せず焦る紅莉栖の前には“白式”を纏った一夏の姿がある。

一夏『良し。まず、なにをすれば良い?』

紅莉栖「あっ、ええと……」

 落ち着き払った態度で構える一夏。
 紅莉栖は状況が上手く飲み込めず目を回していた。

一夏『紅莉栖、俺は力になりたいんだ。仲間の為だったらデータ位いくらでもくれてやるさ』

紅莉栖「……」

 どこまでも真っ直ぐな、純粋な一夏の瞳。
 打算も計算もない言葉通りの気持ちが伝わってくる。

一夏『さっ、早いとこデータの吸出し? やっちまおうぜ』

紅莉栖「一夏、自分がなにを言ってるのかわかってるの……?」

 ──ゴクリ。

 紅莉栖の喉がなる。
 一夏の真っ直ぐな好意は嬉しく思う。

 けれど、それをただただ甘受することは出来なかった。
 一夏の申し出がどれだけのことなのか、それを教えないと。

 このどこまでも純朴な少年の未来を考えずにはいられない。
 “IS”の内部情報がどれだけ貴重であるのか、それは国家間の関係を容易に崩すほど大きなもの。

 それを“仲間を助けたい”。そんな思い一つで開示することなどとんでもない。
 紅莉栖は自己保身に走り、データを受け取るよりも先にそのことで頭の中が一杯になった。

紅莉栖「────から、一夏の申し出は本当に嬉しい。けど、それじゃ一夏が犯罪者に……」

一夏『紅莉栖。俺にとって“仲間”ってのはさ、その国家のなんたらってやつよりも大事なものなんだ』

紅莉栖「……」

 説明した。
 懇切丁寧に小学校低学年でも理解できるようにまでわかりやすく。

 けれど、一夏の態度はかわらない。
 


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