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957: ◆H7NlgNe7hg[sage saga]
2013/03/16(土) 13:28:22.34 ID:VN/5uLr7o





束「さ、時間だよ」

 束の声と共に一斉に起動する無人IS“タイタン”。
 30機編成のそれは見るだけでも壮観だった。

束「ちーちゃんの性格から考えると、朝日と共に出撃だー! とかやりそうだからね、夜の内に終わらせるよん」

くー「……」

束「まったくー、何時の時代の人だよって感じだよねー」

 ケラケラと笑いながらも口は動き続ける。
 何時に無く饒舌だった。

束「衛星にハッキングしてダミー映像を流す。へっぽこ操縦者に来られて無駄に餌をやる必要は無いからね。“タイタン”だけで落すよ」

くー「私も出撃します」

 くーの言葉に首を横に振る束。
 出撃を認める気は無い。

束「くーちゃんが出る必要無いよ、この子らだけで充分だよ。シミュレーション結果じゃ60%で大勝利だよ。
  大天才としちゃ100%に出来なかったのが悔しいけれどね、それでもまぁ大丈夫っしょー! ジャンジャンバリバリ大確変だよ!」

くー「私が加われば80%まで高まります」

束「100%じゃないよ」

くー「お役に立ちたいのです」

束「束さんが出なくて良いって、言ってるんだよ?」

くー「それでも、お役に立ちたいのです。あの者の狙いはISであり……“お母様”ですから」

束「はぁ……聞かないよね、私の子だもんね」

くー「はい」

 珍しく溜息を吐く。
 束の溜息姿を見た者など殆ど存在しない。

束「“染井吉野”の準備は出来てるよ。槍もね」

くー「ありがとうございます。行って参ります」

 ぴこぴこと背中越しに手を振る束。
 これ以上の言葉を出すのは、キャラクターじゃないと自分でわかっていた。

 モニターで“石鍵”を見つめながら語りかける。

束「まさか、こんな事になるだなんてね。流石の束さんも予想だにしなかったよ、いや参ったね実際。
  君との隠れん坊も飽きてきたし、箒ちゃんやちーちゃん殺されるのも嫌だしね」

 椅子に腰を下ろしながらも、語りは止まらなかった。

束「一瞬、殺されてあげても良いかなと天才らしからぬ思考も浮かんだけれど、あれは却下だ。
  だって君はさ、束さんを殺してもまだ殺すでしょう。ISがある限りさ」

 抑揚の無い声。
 ただ、淡々と事実だけを述べていた。

束「そうそう、箒ちゃんに電話したんだよ。2日ほど前に。“紅椿”捨ててみない? って。
  ちょー怒られちった。いやいや、まぁそうだよねぇ。だったらやっぱり、殺されてあげる訳にはいかないからさ」


 ──君が死んでよ。


束「うん。それが一番。──じゃぁ、いってみようか」

 “石鍵”の元へと放たれる31の光。
 物語りの終焉が迫っていた。

 


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