過去ログ - サキュバス「私の心をあげるから、だから…!」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2012/10/20(土) 21:19:10.68 ID:XAoETEBB0
夕闇に飲まれかける中、誰かの声が微かに漏れた。
それは恐い物見たさに集まった人々かもしれないし、あるいは私の幻聴かもしれなかった。
否、私は全身全霊の力を振り絞って声を出している。
目前に私と同様に磔にされた女を、私は助け出したかった。
だが叶わぬ。
私の両手両足を上質な木造の床に縫い付けている、この脇差しや槍が阻んでいる。
立たせてくれない、傍らに落ちて私を待つ刀まで辿り着かせてくれない。
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2
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[sage saga]
2012/10/20(土) 21:34:41.00 ID:XAoETEBB0
この縫い付けられた腕さえ……片腕さえ動けば、私は彼女を救えるのに。
即座に他の腕と脚を切り落とし、彼女を囲む者達を地獄への引導を渡せるのに。
以下略
3
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[sage saga]
2012/10/20(土) 21:50:59.48 ID:XAoETEBB0
……虚ろな瞳は私を見つめている。
涙を流し切ったせいか、微かに腫れた瞼は動いていない。
以下略
4
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2012/10/20(土) 22:05:19.57 ID:XAoETEBB0
ほんの千にも満たぬ姫の兵達は、幾千、万の軍勢に恐れを為して逃げ出したのだ。
僅かな家臣達は攻め来る兵から姫を逃がすため、城を駆けながら脱出法を見出だそうとした。
以下略
5
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[sage saga]
2012/10/20(土) 22:38:02.46 ID:XAoETEBB0
「……!!」
当然私はそれを黙って見ている気は無い。
以下略
6
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2012/10/20(土) 22:59:57.27 ID:XAoETEBB0
今から行われようとしているのは、処刑だ。
民衆の前で何も知らないような……咲いたばかりの白百合とも言える女を、姫を……
以下略
7
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2012/10/20(土) 23:12:04.70 ID:XAoETEBB0
両足首を瞬時に切断し、私は膝頭で跳んだ。
侍大将含め姫の周囲には8人。
以下略
8
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]
2012/10/20(土) 23:22:01.19 ID:21iX08F+o
読んでるだけで痛い気がする(´Д` )
9
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2012/10/20(土) 23:24:00.49 ID:XAoETEBB0
生魚を尾の先から頭まで潰したような音。
足首から先を切り落とした右足を、切断面で跳躍したせいで鳴ったものだ。
以下略
10
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2012/10/20(土) 23:35:47.29 ID:XAoETEBB0
喉が裂けるような絶叫をし、私は姫を追った。
以下略
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