過去ログ - 【咲安価】久「麻雀を?」京太郎「ええ、教えてください」 三局目
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116: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2012/10/22(月) 18:37:21.51 ID:rn40zkgVo

 その瞬間、自分は確かに支配しているのだ。

 全知全能の神の如く、何もかもが自分の手のひらの上なのだ。

 幸福であった。同時に耐えようのない悲しみが襲いかかってくる。だがそれもやはり、幸福なのだ。

 喪失感と陶酔感。それに、京太郎は病み付きになっていた。

 今まで何人の少女の命をこうして奪っただろうか。

 夢から無理やり起こされたような、彼女たちの怯えた瞳。

 それを見るたびに京太郎は、射精感を超える快感に身を震わせる。

 自分は狂っていると自覚していた。そしてそれを控えねば、生きていけないことも理解していた。

 殺してしまった後には、性行が終わった後と同じく、後悔ばかりが訪れる。

 だがそれでも――やらずには居られなかった。


 生まれながらにして人には、資質や性といったものが存在しているという話があった。

 ならばこれは、須賀京太郎の、消せないサガなのだろう。

 上手く折り合いをつけて生きているという自信もあるが、それでも時たま、こうしてたまらなく人を殺したくなっていた。

 殺さずに済ませられたら――と夢想する。

 誰かと愛を育むとき、今度こそ、自分は正常に戻れるのではないかと思ってやまない。

 それでも結果は同じだった。いつだって、こうなってしまう。止められないのだ。

 そしてそれがこうして、自らを危機に陥れることになってしまう。とても危険である。

 須賀京太郎は異常な性癖を持ってこそはいるものの、心は至って常人だ。死にたがりでも、喧嘩好きでも、人間の言葉が通じないわけでもない。

 いつだって平穏な生活を望んでいるのだ。


 こうして誰かに見つかるたびに、身の破滅を思ってきた。このまま行けば、いずれ滅んでしまうと。

 しかしそれでも止められない――それこそが、『サガ』なのだ。生まれ持った、魂に刻まれてしまった性質。

 誰かに救われることをいつも望んでいた。それと同じほどに、このまま地獄に落ちていくことも期待している。

 陶酔感に身を任せた。高高度から地面めがけて放たれる高密度の爆弾と一体化したような幻想に。

 そして今――宮永咲の右手を手にした京太郎は、絶頂の限りにいた。


カンッ!


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