過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」睦月「その12」【鶴賀】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」睦月「その12」【鶴賀】

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211: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/10/23(火) 00:42:47.61 ID:Vp0uc8Hy0
店内に入って、飲み物を三つ頼む。

食事は帰ってからでいいや、と三人とも。

京太郎「……俺の店のほうが上手い」

桃子「第一声がそれっすか」

京太郎「や、贔屓目に見てもそう思うんすよ」

京太郎「ねぇ、津山先輩」

睦月「え……あ、ああ、うん」

睦月「……向こうの方がおいしいな」

桃子「すいませーん。この人がこの店に対して申したいことがあるらしく――」

睦月「な、何をやって――」

桃子「冗談っすよ、そんな血相を変えなくても」

睦月「ああ、そうか、冗談か」

睦月「……ほっとした」

京太郎「そんなひどいことするわけないじゃないですか」

桃子「私がそういう風に見えてるっすか？」

睦月「いや、違うけれど……」

桃子「もう、ひどいっすよ、しくしく」

睦月「ああ……えっと、ご、ごめん！」

桃子「冗談っすよ」

睦月「……まったく」

桃子「ふふっ、からかいがいがあるっすね」

京太郎「……」

例えば、片方の人の心を恐れる少女は、クスクスと楽しそうに笑っていた。

例えば、片方の人の目を気にする少女は、ふふ、と面白そうに笑っていた。

どちらも楽しそうだった。

楽しそうだった。

………………。

…………。

桃子「ねー、京太郎君はどう思うっすか？」

京太郎「……ん、何が？」

桃子「もう、聞いてなかったっすか！」

睦月「えっと……紅茶とコーヒーどっちが好きかなって話」

京太郎「ああ、俺は――」

……と。妙な思考回路をシャットダウンし、その場のノリと空気にあわせた会話に俺も参加したのだった。

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