過去ログ - 唯「1日遅れのハロウィンマジック」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/10/31(水) 23:52:55.50 ID:q2eGm5Mmo
わたしが考えてたのはその頃大好きだった絵本たちのことだった。
きっと、そんなふうに思ったのはそこに住んでいた人々たちのせいなんだよ。
そこには、絵本の中でしか遭うことができないような人たちがいたんだ。
狼男と猫耳の女の人が手をつないで歩いていて、黒いローブを纏った魔法使いが向こうからやってきて二人挨拶したと思ったら、消えた。舗道の端っこではミイラ少年がキャッチボールをしている。ころころ転がったボールを日傘をさしたドラキュラが拾って投げ返した、のーこん。そばの家の窓が開いて美味しそうな匂い。ミイラ兄弟のお母さんが二人を呼んだ。その家の玄関先には3つ首の犬がつながれていてそばを通った白いマルギザお化けに吠え立てる。驚いたマルギザお化けは慌てて逃げ出す。それを見た骸骨がからから笑った。
誰かがわたしのおでこをこづいた。
生意気そうな顔が目の前に。
と思ったらそれはかぼちゃ頭だった。
わたしと同い年くらいの幼い女の子。
ぶかぶかな真っくろい布で体中を覆っている。
それはちょうどマルギザお化けを上からすっぽり被せて頭だけをだしているような格好だった。
かぼちゃ頭はそのままわたしの前で黙っててね。
わたしは言った。
ね、あそぼ。
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