309: ◆asJU3gh8ZA[saga]
2013/02/10(日) 00:26:18.62 ID:4ll4YUAao
彼女はぬくもりを欲すると同時に、純粋な欲望として、才人を欲していた。その代わりにルイズが悲しむであろうと思っても、それがなんの効力も果たさないほどに。
そしてそのままルイズを悲しませ……、彼女が今の自分のように引きこもっているのをいいことに、ティファニアは才人の寝室を訪れた。
このような夜這いとも取れる行動を自ら行うほど、あの時のティファニアは、自らの欲望に忠実になっていた。
310: ◆asJU3gh8ZA[saga]
2013/02/10(日) 00:26:48.44 ID:4ll4YUAao
自分ではない、自分の友達の女の子にばかり心を奪われていると思っていた才人が、欲望の赴くままに自分の体を貪っている……。
その事実は、ティファニアにとってなんとも心地のいいものだったのである。
もちろん、ルイズに対する罪悪感もなかったわけではない。しかしながら、その罪悪感はそのまま彼女の優越感へもシフトしていた。彼女の心の中は、まるで天にも昇るような心地であった。
311: ◆asJU3gh8ZA[saga]
2013/02/10(日) 00:27:23.74 ID:4ll4YUAao
しかし、どんな夢も一夜限りで覚めてしまう。
ティファニアの夢も、例外ではなかった。
才人はアンリエッタのもとへ行き、そして、慣れた雰囲気で戻ってきた。
312: ◆asJU3gh8ZA[saga]
2013/02/10(日) 00:27:50.31 ID:4ll4YUAao
夢は一瞬で悪夢へと姿を変え、現実はティファニアの心に重くのしかかる。
本来ならば、才人の恋人であるルイズの目を出し抜いて才人と関係を持ったという点では、ティファニアに才人やアンリエッタを責めることができるはずもない。
才人の精を受けるため、自分で才人の部屋に夜這いを仕掛けたのだから。
313: ◆asJU3gh8ZA[saga]
2013/02/10(日) 00:28:23.72 ID:4ll4YUAao
「サイト……っ」
ティファニアが呟く。その心に大きな傷を抱えながら。
廊下からは、才人たちの足音が遠ざかるような音が聞こえてきていた。いつまでたっても物音ひとつ立てない自分に嫌気がさしたということなのだろうか。
314: ◆asJU3gh8ZA[saga]
2013/02/10(日) 00:28:52.33 ID:4ll4YUAao
ドアノブを、回そうとして。
頭の中に、ルイズの顔が大きく浮かぶ。
才人と二人で、本当に楽しそうにしているルイズ。
315: ◆asJU3gh8ZA[saga]
2013/02/10(日) 00:29:45.24 ID:4ll4YUAao
「いや……っ!」
ずきり、と胸のあたりが痛み、ティファニアはその胸を手で押さえてうずくまった。
そうしているうちにも、どんどん痛みは増してくる。治るはずはない。実際にそのような痛みは存在しないのだから。
316: ◆asJU3gh8ZA[saga]
2013/02/10(日) 00:31:30.24 ID:4ll4YUAao
以上です。
私的な話ですが、多忙な日々がようやく一区切り付きました。
来週からはボリュームアップ……、できたらいいな。
このあと、心底しょーもない閑話休題を思いついたら投下したいと思います。
とりあえず、別れの挨拶を。
317:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/02/10(日) 00:33:58.88 ID:pg0LJ6VLo
乙
テファはやっぱりロイヤルビッチのいとこなんだよな
318: ◆asJU3gh8ZA
2013/02/10(日) 01:00:37.73 ID:mns2+dPDO
>>317
トリステイン王家を馬鹿にするな!
アンさまを馬鹿にするな!
319:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/03/12(火) 04:30:48.81 ID:GqhRggEUo
続きはまだなのかな
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