38: ◆asJU3gh8ZA[saga]
2012/11/10(土) 19:17:23.86 ID:cEU74SRyo
「サイト……?」
突然の才人の行動に驚いたティファニアは、才人の腕のなかでもぞもぞと動いた。しかし才人はそれを意に介することもなく、一層抱きしめる力を強くして言った。
「俺、お前を守るから。寂しいときは一緒にいてやる悲しいときは泣きついてきてくれてもいい。ずっと、いつでもテファのそばにいてやるから……。」
そこまで聞いて、顔を赤くするティファニア。しかし、また顔を少し曇らせると、
「……でも、サイトにはルイズがいるよ。だからわたしとは……。」
「ちがう、ルイズは関係ないんだ。確かに、俺はルイズの使い魔で、恋人かもしれない。だけどそれと同時に、テファの使い魔でもあるんだよ。使い魔が主人を守らないわけにはいかないよ。」
「……そう、サイトはわたしの使い魔だから、だから一緒にいてくれるんだね。わたしを、ずっと守ってくれるんだね。」
ティファニアは悲しそうにそう言った。
それは違う…。別にテファの使い魔じゃなくたって、俺は……。
そう言おうとした才人だったが、ルイズの顔が頭をよぎり、それを言葉にすることはできずに終わる。
「……ごめん。」
「ううん、いいの。だって、サイトはルイズの恋人だもんね。だから、わたし、いいの、それで……。」
そこまで言うとティファニアは、すっかり力の抜けてしまっている才人の腕をはずし、そっと才人のもとへ戻した。
そして、目尻についた水滴を隠すようにしながら、
「ありがと、サイト。元気でた。さあ、夜ご飯に―――――っ。」
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