過去ログ - 見習い魔法使いのいつもと違う一日
↓ 1- 覧 板 20
59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/09(金) 21:02:31.10 ID:iX4/EhmQo
「え?」
急に言われたのですぐには理解できなかった。
ゆっくりとその意味が頭にしみとおっていくのを、もう一人の自分が遠くから見ているような気がした。
「姉を生き返らせようとしたんだ」
師匠はいつも通りの声で言う。だから少し調子が狂う。
「ぼくは母を早くに亡くしていてね、姉がぼくを養ってくれたんだ。でも病気で死んじゃった」
あっさりと告げた。
それからやっぱり気の入っていない声で続ける
「大好きだった。死ぬ前に伝えられなかったそれを、伝えたかったんだ」
それを最後に師匠は言葉を切った。それからなにも言わないのでずいぶん沈黙が長引いた。
「伝えられたんですか?」
「ああ、なんとか」
どこか遠くを見るような目で師匠は言う。
「生き返ったのはほんの少しの時間だった。完全に生き返らせることはできなかった」
72Res/41.25 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。