11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/07(水) 00:38:26.49 ID:0rJjsqvo0
肉の塊と化した私は、肉の門の前にいた。
私は此処が地獄であることを知っている。
門から生えた手が蠢いていた。
私はその数を知っている。
二千二本でないことを痛切に乞う。
祈る神が居ないとしても。
無数の手が私を?む。手繰り寄せる。
これは冥界の門。私の霊柩。私が清算すべき業。
「大丈夫ですか」
知らない声が聞こえた。
透き通った水のような、静かに通り過ぎる微風のような声音だ。
――神の声?
声は女性のものだ。父なる者ではないだろう。
しかし、この私にとっては神と等しい――神よりも尊い声だった。
肉の門が遠ざかっていく。
私もまた導かれていく――
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