172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/10(日) 21:37:35.93 ID:EqG0/UqP0
私は手を伸ばしてフィリアの手を掴んだ。
もういい、と無意識のうちに言っていた。
青白い光はたちどころに消える。
173:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/10(日) 21:55:52.73 ID:EqG0/UqP0
彼女が目を開ける姿を見るのは初めての事だった。
頑なに開こうとしない固い殻のような目蓋が上がった。
私は言葉を失う。
174:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/10(日) 22:05:25.31 ID:EqG0/UqP0
そう言った途端、彼女は支えを失ったかのように体勢を崩し、椅子から落ちた。
彼女は自分で驚いたような顔をして、それから呆れたように微笑んだ。
175:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/19(火) 00:25:00.52 ID:WlzSdthO0
フィリアを寝室まで運んだ後、もう一度少女の部屋へと戻る。
少女の顔や手足の汗を拭いてやろうと近付いたところで、彼女が目を覚ましていることに気付いた。
「……おはよう」
176:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/19(火) 00:29:23.43 ID:WlzSdthO0
それから彼女は自嘲的に微笑んだ。
「わたしを生かしてもしょうがないのに。お父さんとお母さんにすら捨てられたわたしなんかを」
彼女は自分の首に手を回し、首飾りを外した。
177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/19(火) 00:34:26.47 ID:WlzSdthO0
まったくバカではない。
親を恋しく思うのは当たり前のことだ。
そして、愛されていいのだ。生き続けていいのだ。
私もフィリアも生きていて欲しいと思っている。
またお前の料理が食べたいし、包丁で野菜を刻んでいる姿を見たい。
178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/08(金) 10:44:54.31 ID:BhnyGJsw0
アルノーは闇に包まれた森の中を躊躇いのない足取りで進んでいる。
彼は楽しそうに口笛を吹いている。
即興のメロディーだ。
179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/27(水) 21:51:59.12 ID:UAVTQATq0
いつも穏やかなニゲルが荒っぽい声で鳴いていた。
その大きな単眼には不穏な色。
そのような彼を見るのは初めてで、どうしたのか、と問わずにはいられなかった。
180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/05/05(日) 23:14:16.26 ID:9HMoOajP0
そのまま暗闇に紛れ、機を伺う。
やがて足音が近くなってきた。
暗闇の中を凝視する。
181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/06(月) 14:33:24.50 ID:v6XeKwJ8o
はよおおおおおいお
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