51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/23(金) 09:14:08.53 ID:PDHI6dQO0
気温の最も高くなる時分に、来訪者があった。
かなりの量の荷物を背負ったエルフの男だった。
遠目に一瞥しただけだが、とても整った顔立ちをしているのが分かった。
今、男は応接間でフィリアと話を交わしているはずだ。
何を話しているのかは分からない。
私はというと、人間の中でも異形であるこの姿を見せるわけにもいかず、屋敷の奥に位置する部屋に閉じこもっている次第だ。
この部屋は私に与えられた部屋で、最低限の物しか配置されていない。
私が椅子に座ってあの男について考えていると、少女が部屋に入って来た。
あまり機嫌が良い様子では無い。
少女は私を見つめ、それから部屋の周囲を見渡す。
椅子は部屋に一つしかないため彼女は私の寝台に腰掛けた。
暫らく無言が続き、息苦しい沈黙が漂う。
客人をもてなさくて良いのか、と私は訊いた。
「……ここにいるってことは、そういうことでしょ」
ひどく不機嫌そうに彼女は言う。
あまり私と会話したい気分ではないらしい。
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