50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/23(金) 09:08:27.62 ID:PDHI6dQO0
不可思議な手応えに陶酔している内にかなりの量を割り終えた。
もしかしたら一週間分以上あるかもしれない。
薪をカゴに詰めて厨まで運ぶ。
筋肉が軋み、指先が痛む。相当の重量だ。
あの小さな少女がいつもこの重さを運んでいる事を考えると、胸がささくれ立った。
二度に分けて運んだ薪の上に座り、一息つく。
ふと、私は猫の声を耳にした。
目を向けると黒い猫の後姿があった。
黒曜石のように輝く毛色をした黒猫だ。
彼等は一般に不吉の象徴とされ、時には魔獣の一種に分類される事もあるが、私は嫌いではない。
どちらかというと親近感すら抱いている。
このような森の奥地で猫に遭遇するとは思いもしなかった私は、彼を熟視していた。
黒猫は私に顔を向けないまま、しなやかな身のこなしで茂みの中に潜り込んでしまった。
232Res/180.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。