過去ログ - 男「悪魔探し?」
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/11/10(土) 19:14:47.54 ID:U8IIs9aDO
…………………………

少女「……というわけです」

男「うーん」

 結論から言うと、少女は嘘を吐いていなかった。
 ただ、後から継ぎ足された話が数ヶ所あった。

男「……殺人まで手を染めた悪魔か」

少女「……はい」

 まず、探す悪魔が危険極まりないものであった。
 少女が探している悪魔たちは、殺人を行って魂を集めている無法者たち。
 そういう奴らは力も強い高位の悪魔らしく、男たちが返り討ちにあう危険がある。
 というよりも、返り討ちで終わる可能性の方が高い。
 そしてもう一つ、悪魔は自分の能力や特性を巧みに隠しているということだった。

少女「悪魔は姿を変えられますし、最近は化学薬品やらなんやらたくさん手に入りますので、死体を上手く処理されて犯行の痕跡も残りにくいんです……」

男「じゃあどうやって正体を暴くんだ?」

少女「相手の魂を奪う時は必ず『自分の特性を死因』にしなければならないんです。
   雷を操る悪魔ならば雷による感電死を死因に、炎を操る悪魔ならば炎による焼死を死因にといった具合です」

男「それは何で?」

少女「一種のマーキングです。
   魂の因果律に介入して、魂の行き先を自分に変更しているんです」

男「なるほど、他に悪魔を特定する方法は?」

少女「悪魔が魂を刈り集めると、地上で死んだ方々の数と冥府に送られてくる魂の数に齟齬(そご)をきたします。
  そこから悪魔が誰をいつ殺したか分かります」

男「……なるほどな、どれが悪魔の犯行かはわかるのか」

少女「問題は、その悪魔が誰か、です」

男「……」

 男は頭の中で整理する。
 まず、制約から悪魔は自分の特性を犯行に残さなければならない。
 そして、どれが悪魔の犯行かは分かる。
 そこでふと男は思いついた。

男「なあ、悪魔ってそんなに地上に溢れているものなのか?」

少女「え? いえ、この国には数人いるかいないかですけど……それが何か?」

男「地上の悪魔の数が少ないなら、近隣で起きた悪魔の犯行はすべて同一の悪魔の物という事になる。
  人が死ねば新聞やテレビで報道されるし、ネットにも情報が上がる。
 その記録を並べていけば死因の共通点も浮かぶんじゃないかな?」

少女「あっ! た、たしかにそうです!」

男「殺された人の死因が分かれば悪魔の特性も分かる。
  そこから悪魔の正体も暴けるだろ?」

少女「はい! 分かります!」

男「……うん」

 少し希望が見えてきた。
 一度くらいなら手伝っていいかもしれない。
 男がそう思ったときだった。


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