過去ログ - 【咲:安価】京太郎「……家が無い」咲「その16だよ、えへへ」【鶴賀】
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871: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/11/23(金) 00:38:52.31 ID:3NJgQxjj0
一「……ねぇ、衣」

一「衣は京太郎君のこと、好き?」

衣「当然だ」

一「それは、今の衣?」

一「それとも昔の衣?」

衣「……っ!?」

同じ立場の彼女はどう思っているのだろう。

それを聞いて何が起こるかはわからない――もしかしたら気が楽になるかもしれないし、気が滅入るかもしれない。

何も起こらないかもしれない。

それでも、僕は聞いた。

ぐちゃぐちゃな僕をまとめてくれる言葉がそこにあるんじゃないかなって、そんな希望。

衣「……京太郎を好きなのは『衣』だ」

衣「今も昔も関係ない」

衣「……そういえたら、どれほど幸せだったのだろうな」

一「……」

衣「たとえ、会ったことがなかろうと、触れたことが無かろうと」

衣「それが、例え別の世界であったとしても」

衣「私の中には残っているんだ」

衣「生まれ、育ち、出会い、結び、死ぬ」

衣「その一生が残っているんだ」

一「……」

衣「……だから、諦めたくないんだ」

衣「諦められるわけがないんだ!」

衣「k路オモにとっての最上級の幸せを見せられた!」

衣「そんな意図は無かったのに、無意識に思い出した!」

衣「そんなことをされたら、それ以外の幸せなんて見えるはずが無い」

衣「最高の結末を知っているのに、わざわざそれから逃れようと動けるはずがないじゃないか!」

……久しぶりに、衣を見た。

物理的な意味じゃなくて、精神的な意味で……今までのような、何かにとりつかれたような無表情が消えた。

涙を浮かべて、彼女は叫んでいた。

一「……それでも、被害者とは呼べないよ」

衣「わかってる」

衣「だからこうして加害者になっているんだ」

衣「……なぁ、一」

衣「一も覚えているんだろう?」

衣「……昔を」

一「……うん」


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