33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/22(木) 01:55:47.94 ID:Aqo+XSP60
「はい、家族でよくもやしパーティーをやってますよー」
その『もやしパーティー』が余程楽しいものなのか、やよいは嬉しそうな笑顔を浮かべて答えた。
「はは、そっか」
相変わらず輝かしい笑顔に釣られて微笑みながら、真は残ったケースを引っ張り出した。
『まこと王子』
「……王子、ね」
印刷された文字を見つめながら、思わず呟いた。
この黒い玉にさえ男扱いされているような気がして、なぜだか情けない気分になる。
(まぁ、馴れてるからいいけどさ)
溜め息を吐きながらもスーツケースを抱きかかえる。
「じゃあほら、戻ろうか」
傍らで待っていたやよいに促し、ケースを持って玉の裏から出て行く。
それとほぼ同時に玄関から、例の黒いスーツを着た少年が畳んだ学生服を手に持って部屋に戻って来た。
「じゃ、次は私が行きますね?」
筑川がケースを手に遠慮がちに真とやよいに声を掛けてきた。
「あ、どうぞ」
真がそう言うと、筑川は軽く会釈してから玄関に向かって行った。
385Res/401.31 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。