331: ◆guueZER6fU[saga]
2013/08/11(日) 13:02:32.18 ID:kBC1IN9E0
叫び、身体をがむしゃらに動かす。
走行する車体が、ナターリアの動きに合わせて小さく揺れた。
「おい何してんだよ!早くそいつ黙らせろ!」
運転している男が驚いた様子で叫ぶ。
「ンなもん分かってるよコノヤロー!」
抑えつけていた男は、かなり焦った様子で切り返した。
「てめぇ、暴れんじゃねぇクソアマ!」
怒鳴り散らしながら、男はナターリアの顔を殴りつけた。
こいつ、女性の顔に何てことをするんだ。
そう思ったそばから二発目が飛んできた。
殴られた頬が熱くなる。
口の中に鉄臭い液体が広がった。
どうやら口の中が切れたらしい。
鼻血も出ているみたいだ。しかしそんなもの関係なかった。
「Caralho!!」
逆上したナターリアは、負けじと母国語で『くそっ!!』と叫びながら男の顔を引っかき、腹に蹴りを入れた。
「あ゛ぁっ!このクソガキ!」
悪態をつく男に、運転していた男が痺れを切らしたのか運転席から怒鳴った。
「ガキ一人になに手こずってんだよコノヤロー!」
「っるせえな!言うだけなら簡単だっつんだよ!黙って運転してろバカヤロー!」
二人の言い合いを余所に、ナターリアは男の頬に張り手を繰り出し、顔に蹴りを入れた。
男はのけぞって鼻を押さえた。
鼻が折れたのか、指の間から血が流れ出ている。
やり過ぎてしまったか。
普段は余り暴力的では無いナターリアは、我に返り、思わず息を呑んで鼻血を溢れさせる男を見つめ返した。
男は顔を真っ赤にし、殺意の籠った目でナターリアを睨みつけた。
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