375: ◆guueZER6fU[saga]
2013/11/19(火) 03:40:50.19 ID:KSEOpBsj0
……来たか
二人よりかは幾分か冷静に、しかし心中では例の拍動がアラームのように鳴り続けている中、真は黙って転送が終わるのを待った。
髪の毛が外の風を受けて揺らぐ感覚に、直後、視界がガンツ部屋から外の景色へと移っていく。
今度は一体どこだ。
額から下へ下へ、夜の冷えた外気が包み込んでいく。
マンションの一室から、広々とした外へ。
待ち構える真の視界に映ったのは、幅の広い整備された綺麗な道路に、脇に建つ巨大な建物、闇に煌めく幾つものネオン。
なぜか人通りが少ないが、前回の簡素な住宅街とは違う、開発された土地であることに間違いない。
まだ肩までしか転送されていないが、辺りを見回す。
周りには、先に転送されたヤクザやナターリ、三鬼谷が、所在なさげにそこらをうろついている。
その向こう、真達に一番近い建物を先に転送されていた祐喜、尾形、倉田が見上げている。
(……あれって)
真にも、その建物に見覚えがあった。
いつか他のアイドル達と遊びに行ったこともある。
青や緑の光で美しくライトアップされた、巨大なショッピングセンター。
江東区、豊洲にある『ららぽーと豊洲』だ。
「真さーん」
先に転送されたやよいが、緊張した面持ちで真を呼んだ。
足先まで転送が完了したことを確認してから、真は感触を確かめるように、ざりざりとアスファルトを足で擦った。
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