過去ログ - 垣根「君が教えてくれた花の名前は――」
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904: ◆1yXtrQq8OHOj[saga]
2013/05/13(月) 03:54:46.37 ID:eDtp/jlAo

「……ふん、いいだろう。撤収だ」

その様子を見た男が声をかけた。

「あ?逃がすと思ってんのか?」

最愛を馬鹿にした奴を、と口を滑らせなかったのはさすが腐っても頭脳明晰な第二位という事だろう。

「逃げる?見逃してやるんだよ」

男は銃を抜くと、それを呆然と突っ立っている絹旗に向けようとする。

――ダメだッ!

普通の銃ならば、絹旗にダメージはない。
本来ならば、心配する必要もないのだ。
しかし、男の迷いのなさがそれが普通の銃でない事を垣根に突きつけていた。

垣根と絹旗の距離は数メートル、思い切り飛びつけばかばう事は可能である。

しかし、垣根帝督は迷った。

“もしここで絹旗に触れて、俺は平気なのか?”

その文字列が頭に浮かぶまでに、一秒もかからない。
本当に一瞬だ。

――って、迷う事かよッ!

自分がどうなろうと構わない。
色々な感情の枷が外れ、みっともなく壊れようとも構わない。
絹旗に情けない姿を見せる事など今更だ。

もしも、垣根がもう一段階迷ったら、間に合わなかっただろう。

垣根は絹旗に飛びつき、そのまま抱きかかえながら転がった。

男が撃った銃弾は垣根の翼に当たり、弾かれる。


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