過去ログ - 垣根「君が教えてくれた花の名前は――」
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◆1yXtrQq8OHOj
[saga]
2013/06/03(月) 02:33:27.85 ID:emK3jI3Ro
「あの子は……インデックスといって……魔道書……いや、なんて言えばいいんでしょう……」
魔道書、という単語にあからさまに困惑した顔つきになった麦野に、神裂は説明を止めた。
「つまり、魔術の必殺技集みたいなものだ」
どう説明しようかと迷っている神裂の横から、ステイルが口を挟んだ。
これくらい大雑把なほうが、魔術を知らないものにとってはわかりやすいだろう。
意外な才能を、神裂はステイルに感じた。
「ほう、なんとなくわかった。
それでその魔道書がどうした?」
「あの子は、十万三千冊の魔道書をすべて覚えているのです」
神裂は手短に、インデックスの事情を話した。
完全記憶能力の事、そのために一年周期で記憶を消さなければならなかった事、
その負のサイクルを垣根が止めてくれた事……すべてを話した。
それら全てを聞き終えて、麦野がこぼした感想は垣根と似たものだった。
「お前ら、バカだろ?記憶が圧迫なんてトンチンカンな事を本気で信じてやがったのか?」
そして、そこで気づいた。
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