過去ログ - フィアンマ「あ、あん、安価で世界を」上条「あんかけが何だって?」
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[saga]
2012/12/05(水) 19:22:24.27 ID:SolegE/q0
そして、上条にとって通常魔術と相対することは得意分野に入る。
勿論、どんな攻撃を受けても打ち消せる自信はあるのかといえば、まったくもって無い。
でも、これ以上自分が攻撃を渋ることで、周囲に被害が振りまかれることは避けたかった。
上条は深呼吸をした後、全ての幻想を滅ぼす右手を掲げて走り出す。
避けることも、逃げることも、盾を使うこともしない。
そして右方のフィアンマは、そんな彼の行動に対する『預言(こたえ)』を受けそびれた。
答えを得てから動くまでのコンマ二秒程度のタイムラグ。
けれど、不幸に慣れ親しんだ上条にとってはその一瞬の遅れなど、充分過ぎる――――進む時間への、猶予。
右方のフィアンマは二歩下がって、炎を放つ。
上条は恐るべき動体視力でそれらを捉え、右手で握り潰す。
次に床を侵して湧き上がった熱湯に歩みを止めそうになりながら、右手を足下へ触れさせる。
水に含まれた熱どころではなく、熱湯ごと消し去る。
少しよろけた上条に対し、『聖なる右』をどうにか復活させた右方のフィアンマは、右手をぐいと後ろに引き、
振って、術式を行使する直前で。
上条を傷つける直前で、彼は奇妙な動きをした。
人を傷つける自分の右手を止めるように、自分の左手で、自分の右手首を掴んだのだ。
上条「は、」
上条は、ほんの少しだけ笑った。
嘲笑している訳ではない。ただ、嬉しかった。
狂ってしまって尚、彼女は最後の最後、自分をこれ以上傷つけることを躊躇ってくれたのだと。
『預言』に支配された、委ねた精神で、残った心で僅かに抵抗した。
自分で決めた道に、初めて反抗した。
上条「お前が、壊してくれって言うなら。やり直したいって、言うなら。…俺は、その幻想をぶち殺してやる」
握った右拳が、フィアンマの顔面へ届いた。
痛みに顔を歪め、それでも右手を左手で握ったまま、床から彼女の足が離れる。
宙を舞うループタイに手を伸ばし、上条はその右手でぎゅっと握る。
ちぎれたそれは、まるで砂で出来た細工のように、上条の手の中でぼろぼろと壊れていった。
物理的な、象徴である『鍵』を失くし。
精神干渉の減ったフィアンマは、オフィーリアは、きちんと、意識を取り戻した。
近づいてくる足音に怯え。
振りかぶられた少年の右拳に、彼女は両腕で自分の顔を守った。
魔術も何も無い、暴力を嫌う彼女の平和的な抵抗。
でも、いつまでも、予想していた痛みは訪れない。
上条「……、」
フィアンマ「…ぁ、…」
周囲の惨状と、ところどころ怪我をした上条と、自分が仕出かした事の重大さに。
起き上がることも出来ないまま、彼女は掠れた声で呟いた。
本当は大声で言いたかったのかもしれないが、生命力の大量消費や体中の痛みに、声がうまく出てこない。
フィアンマ「ごめ、なさい…ごめんなさい…」
上条はどうする?(台詞可)>>+2
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