794: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 18:39:08.82 ID:/PCTaSjwo
私の故郷……。
何から話したものか。少し悩む。
私はこの時、二人になら、と思っていた。
795: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 18:45:46.78 ID:/PCTaSjwo
………………
…………
……
796: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 18:48:05.87 ID:/PCTaSjwo
「待ってよお姉ちゃん……。はぁ、はぁ……」
「遅いよ優!」
「だ、だってぇ……」
797: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 18:49:02.48 ID:/PCTaSjwo
この村の大人はみんな炭坑の仕事をして掘り出したものを売ってみんなで生計を立てている。
村はみんなが家族のようなものだった。
だけど私達は村からは少し離れた所に家があった。
798: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 18:49:29.07 ID:/PCTaSjwo
生活は安定してた。
お母さんは優しく何を言っても笑顔でいてくれた。
私はいつも弟の優と遊んでいた。
799: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 18:52:15.91 ID:/PCTaSjwo
優は私の唄う歌が大好きで、機嫌がいい時も、挫けそうな時も、
悲しい時も、楽しい時も、いつも決まって私に言った。
「唄って! 唄ってお姉ちゃん!」
800: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 18:55:53.09 ID:/PCTaSjwo
それから幾ばくかの時が過ぎたある日、優が
「遊びに行ってくるね!」
801: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 18:56:19.72 ID:/PCTaSjwo
男の子の中の遊びというものはどういうものかはわからなかった私は、
特にこの時はぐいぐいと聞いたりはしなかった。
何せ私の家には男の人は優しかいなかったのだから。
802: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 18:56:58.34 ID:/PCTaSjwo
もちろん私は泣き止むように優に唄ってあげたし、
村の子供たちの前で唄ってあげた。
その時だった……。
803: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 18:58:41.45 ID:/PCTaSjwo
今思えば、あれは私が持つ歌に関する能力の何かの始まりだったのかもしれない。
私の歌には何か特別な力がある。
優が上の空にならなかったのは優はいつも聞いていたから?
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