804: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 19:01:58.95 ID:/PCTaSjwo
そこには村の大人達とお母さんが話している姿だった。
私は影からこっそり見ていることしかできなかったけれど。
お母さんはずっと頭をペコペコ下げている。
805: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 19:02:27.24 ID:/PCTaSjwo
「っ! 千早……なんでもないわ。さ、寝ましょう」
そう言いお母さんは私の頭を優しく撫でながら私を寝室へと押して歩いた。
誤魔化すように。
806: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 19:03:51.24 ID:/PCTaSjwo
それからもお母さんは何日も何日も来る人達に謝り続けていた。
何時間も何日も。
807: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 19:04:34.12 ID:/PCTaSjwo
子どもたちの大きな歓声が聞こえた。
「やれー!」
808: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 19:06:01.52 ID:/PCTaSjwo
「うぁ゙ッ! くっ、情けなくなんかない! お姉ちゃんはすごいんだ!」
「どこがすごいんだ! 気持ち悪い歌、聞かせやがって!」
「ぎゃぁッ……! そ、それ以上は許さないぞ!」
809: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 19:08:19.11 ID:/PCTaSjwo
しかし、静止も聞かずに逃げられてしまう。
数人の男の子を追いかけて全員捕まえるなんてことは私はできなかった。
それよりもまずはボロボロになった優を助けに行った。
810: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 19:10:51.68 ID:/PCTaSjwo
いつもなら泣いて私に泣きついてくる優だった。
だけど、今日はいつものと違った。
こんなにボロボロにされたっていうのにどこか誇らしげだった。
811: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 19:12:32.52 ID:/PCTaSjwo
私はいつの間にか涙が出そうになっていた。
あぁ、いつの間にかこんな風に成長してたのか、
と近くにいながらも気が付かなかった優の成長に嬉しく思っていた。
812: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 19:16:28.19 ID:/PCTaSjwo
ボロボロになった優を見かねたお母さんは
優を殴りつけたりした男の子の家を優から聞き出した。
優としてはそんなことしたら折角話せるお友達が増えたのにまた減ってしまう、
813: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 19:21:37.09 ID:/PCTaSjwo
だけどお母さんは段々とやつれていた。
気がつけばまた腕が細くなっている気がした。
それからお母さんが玄関で夜な夜な村の人に謝っている姿も
814: ◆tFAXy4FpvI[sage saga]
2013/03/08(金) 19:22:14.68 ID:/PCTaSjwo
誰にも邪魔をされずに、村にも聞こえないから文句を言われることもない穴場。
二人だけで、いつも色んな歌を。
「お姉ちゃん、あれ何?」
1002Res/509.58 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。