過去ログ - 【咲ーSakiー安価】魔王クエスト―魔法少女と探偵とくのいちと目立ちたがりの姫君―2
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◆Rf40X2USO7Yr
[saga ]
2013/03/04(月) 22:02:28.45 ID:5UeaydqAO
安価:
>>684
和「何があろうと、私は長野から離れたくありません…!」
和の言葉は、電話の向こうの父にも、和の周囲に集まっていた麻雀部の仲間たちにもはっきりと響いて聞こえた。
驚き。動揺。不安。気遣い。そういった反応が自分を取り巻いているのを感じながら、和は平静に返ろうとつとめた。
父は一瞬、押し黙っていた。ふだん冷静で、むしろ優等生的に映る娘には、ふいにつよい感情をのぞかせる一面があることを、彼は経験から知っていた。
和父「…事件が起きているのに?そんなにこの土地が気に入ったのか?」
ややあってから父が口を開いた。
和「それも、ありますけど…」
そこでまた会話が途切れた。
和父「…分かった。どちらにしても、進路の話は、すぐに決められるものでもないだろう。今度の休みにでも、また話すとしよう」
和「…はい」
和父「それまでにお前も、自分の将来のことはよく考えておきなさい。それから、外に出る時には気をつけるように」
それだけ言って、電話は切れてしまった。和は少しの間、受話器を手にしたままで動かなかった。
自分の想いを聞いてもらうことなく、流されてしまった。そんな気がする。
和(…それが大人のずるさなんでしょうか)
なんとなく和は、父が今頃、自分を子供だなと感じているような気がして、悔しくてならなかった。
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