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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/11/27(火) 16:30:28.66 ID:/twlZ/wDO
──ここにいるすべての魔王候補から認められた者を魔王にする。

 老齢に差し掛かり、近年は病にて肉体の衰え著しいというのに、その声は魔王の名に相応しい厳然たる響きを持って大広間に波紋を投げ打った。
 大広間に集っているのは実子、親戚、外戚、果ては血の繋がりがあるかどうかも怪しい自称魔王たち数百人。
 現魔王の玉座が空位となるのが現実味を帯びてきたことで、水面下からその地位を虎視眈々と狙っていた者たちである。
 魔王の召集により城へと集められた彼ら彼女らは、魔王の宣言を聞いた後、各々すぐに自らの領地へと戻って行動を開始した。

長男「今必要なのは速さだ。
   王都周辺の有力貴族たち、これを第一手で抱き込む。
   ……どんな手を使ってでもな」

 ある者は知によって謀りごとを行い、

次男「難しい事はよく分からんから部下に任せる!
   俺は気にくわねぇ奴らをぶちのめすだけだぜ!」

 ある者は武によって戦端を開き、

長女「魔王が退位した所で現状が変わると思うか?
   否! 新たな魔王がその座を継いだ所で、取り巻き、体制、それら手足が壊死したままでは頭もいずれは腐り落ちる!
   すべてを一新させねば政治の腐敗は治らぬのだ!
   それを知りえる私ならば、諸君ら忠国の憂士たちならば!
   この国を、世界を、より良いものへと導いていける!
   諸君らの力が必要だ!
   この大事の成否は諸君らの健闘に懸かっている!」

次女「きゃー! お姉さまステキー!」

 ある者は弁によって人心を掌握し、
 ある者は強者に追従する事で地位の安泰を図った。
 この他、様々な方法で皆が自らの理想の旗を掲げ、魔界は群雄割拠の様相を呈していく。

 そんな混乱を極めた状況の最中、寡黙で、才幹とぼしく、いるかどうかもわからないくらい影の薄い、魔王の末娘がいたとする。
 その存在に、起こした行動に、いったい誰がどうして気付く事が出来ただろうか?

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