22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/02(日) 06:09:57.00 ID:FjbuSJkDO
〜 中庭 〜
アルラ「晴れ晴れ〜のほほ〜ん」
館の内壁に四角く切り取られた空の上には、太陽が目にもまぶしく輝いている。
アルラウネは緑色の髪をふんわりと広げて、さんさんと照りつけてくる陽光を全身で享受していた。
着ているのは赤いワンピースタイプのドレス。
細い腰のくびれ、そしてささやかな胸。
まだまだ発展途上であるが、女の子の魅力を余すところ無く発散する溌剌とした曲線で構成された肢体を浮き彫りにするワンピースドレスは、しかし下部は花のツボミを逆さにしたようにスカートが釣り鐘状に広がっていて腰の下を完全に隠していた。
でもって、そのスカートの下からはウネウネと無数の触手が蠢いている。
実を言うとアルラウネが着ているのはただのワンピースで、下部の釣り鐘状のスカートは衣服ではない。
実際に『花のツボミを逆さまにしたもの』であり、またコレこそがアルラウネをアルラウネ足らしめる要素の一つであった。
アルラ「Bパーツさんも、お土がおいしいようですね〜」
アルラウネはニコニコと、土の中へと潜って蠢く触手に笑みを浮かべる。
Bパーツとは、アルラウネの下半身の付属パーツである。
アルラウネ本体はちゃんと両手両足が備わっており、光合成が可能という点以外はほとんど人間と変わらぬ身体構造を持っている。
が、それすなわち、人間と大して変わらない程度の力しか持たないということ。
しかも人間のように高度な文明も持たないとなれば、猛者がこれでもかと跋扈する魔界において、ミジンコに捕食されるプランクトンよろしく食物連鎖の最底辺に位置しかねない。
これはアルラウネにとって由々しき事態である。
せっかく進化して動き回れるようになったというのに、一方的に狩られる生産者の座に戻るのは悲し過ぎる。
そこで、アルラウネは外敵への対抗策を身に付けた。
それがBパーツである。
根を前後に蠢かせる事によって可能となる高速移動は魔界の野生動物を置き去れる程の速力を生み出し、また荒れ地は当然として、崖も垂直に登る事が可能という驚異の走破性を誇る。
その上、戦闘においても抜け目は無い。
基本武装にアルラウネバルカン(種子)とアルラウネサーベル(ツタ)、アルラウネハンマー(トゲトゲの実+ツタ)を常備しており、そのすべてが量産型ゴーレムを粉砕する程の破壊力を秘めている。
そして極めつけはアルラウネビームライフルと呼ばれる光合成によるソーラーレイで、戦艦の主砲並みの熱線を放つ事が出来る。
もしも万が一、手も足も出せない難敵と遭遇した際はBパーツがアルラウネ本体を包み込んで簡易シェルターにもなる。
これは理論上ならば大気圏突入も可能な耐久性を発揮するというスペックである。
アルラ「以上、説明終わり〜」
吸血「な〜にが『説明終わり〜』じゃーッ!
このバカタレがーッ!」
突如現れた吸血鬼がアルラウネの後頭部をスパコーンとひっぱたいた。
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