過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/05(水) 01:20:06.52 ID:RLjbm7yt0
涙を浮かべ、エルフは戦火の渦中にある草原を駆け抜けた。振り向く事はできなかった。
迫り来るプレッシャー、振り向いた先にある凄惨な光景、そしてほんの僅かでも足を止めれば己の命も危ういのだと本能的に悟っていたからだった。
気づけばひとりぼっちで森の中を彷徨い歩いていた。涙を流し、無様に嗚咽を漏らしながら。
そして、森の奥から現れた同胞達によって保護され、祖母のいるこの里で暮らすようになった。
以下略
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2012/12/05(水) 01:20:38.38 ID:RLjbm7yt0
世話になっている祖母にも迷惑をかけまいと、毎日明るく、明るく振る舞ってきた。誰からも好かれるように、邪魔な存在だと思われないように。
息を殺し、まるで空気のように。その場に存在しても誰からも気づかれず、誰の迷惑にもならないように努めてきた。
心はずっと平静だった。そう、彼が来るまでは……。
以下略
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2012/12/05(水) 01:21:08.00 ID:RLjbm7yt0
エルフ「私、このままじゃ人間のことが嫌いになっちゃいます。そんなことになっちゃ駄目なのに……。
お父さんとお母さんの言っていたことを裏切る事になっちゃう。
もしそうなったら、私には本当に何もなくなっちゃいます」
己に起こった変化を恐れ、その場にしゃがみこみ、エルフは己の体を抱きしめた。だが、そんな彼女を優しく癒してくれる存在は今この場には誰もいなかったのだった……。
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2012/12/05(水) 01:21:40.25 ID:RLjbm7yt0
……
…
エルフA「やっぱり言っていた通りです。あのエルフのやつ家に人間を匿ってます」
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2012/12/05(水) 01:22:07.49 ID:RLjbm7yt0
エルフB「そんな! みすみす人間を見逃せっていうんですか? あいつらに殺された同胞はたくさんいる……」
エルフA「やめろよ! 若エルフさんには何か考えがあるんだよ。そうですよね?」
若きエルフ「ああ。君たちの気持ちもわかる。人間を前にして流行る闘争心を必死に抑えているのも……ね。
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2012/12/05(水) 01:22:48.54 ID:RLjbm7yt0
エルフC「あいつにも手を出してはいけないんですか?」
若きエルフ「そうだよ。その理由も後で分かる。今は僕を信じてくれとしか言えないけれど……」
エルフA・B・C「……」
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2012/12/05(水) 01:23:14.80 ID:RLjbm7yt0
若きエルフ「そうか……。みんな、ありがとう。もう少し、もう少しだ。あと少しで私たちは他の里のエルフたちと同じように人間を滅ぼすための聖戦に参加できる。
その時まで、君たちには充分に力を蓄えていてくれたまえ」ニコッ
エルフA・B・C「はい!」
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2012/12/05(水) 01:24:51.16 ID:RLjbm7yt0
……
…
――数日後――
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2012/12/05(水) 01:25:46.67 ID:RLjbm7yt0
結局、人とエルフは分かり合うことはできないのだろうかと学者は考えていた。
かつて、人とエルフが共存していたのは幻のようなもので、それが実現すること等ありえないのだろうかと。
だが、己に問いかけたその質問に返ってきた答えは否だった。
まずは自分から、一歩踏み出す。そうしなければ何も変えることなどできない。
誰かが事を起こすのを待っているだけでは、この状況はきっといつまでも変わらないだろう……。
以下略
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2012/12/05(水) 01:26:44.19 ID:RLjbm7yt0
居間にあるテーブルを挟んで人と、エルフが向かい合っている。どこか落ち着かない様子なエルフの少女。
そんな彼女とは対照的に、人間の男の方は落ち着いた様子で話し始めた。
学者「まずは、お礼を言わせて欲しい。人の身でありながら命を救っていただいたこと、本当に感謝している。
きっと君がいなかったら私はあのまま野垂れ死にしていただろう……」
以下略
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