過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/05(水) 17:36:07.23 ID:RLjbm7yt0
平和だ……。
そう感じてしまうからこそ、男はこれまで誰にも話したことなかった己の過去の全てを口に漏らしたくなったのだろう。それも、話しかけても何も問題のない相手に。
男「ねえ、旧エルフ。聞いてもらってもいいかな。僕が今までどんな風に生きて、何をしてきたか。エルフに話す事のできない醜く、残酷だった僕の罪を……」
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2012/12/05(水) 17:36:48.20 ID:RLjbm7yt0
雲が静かに空を流れて行く。様々な大きさ、形をしたそれを見て、上を見上げる子供達がはしゃぐ。
少年A「すっげぇ! 見ろ、見ろ。あの雲めちゃくちゃぐるぐるしてっぞ!」
少年B「うわっ! ホントだ。でっけえなぁ……」
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2012/12/05(水) 17:37:23.96 ID:RLjbm7yt0
妹「そもそも、お兄ちゃんが『あ……大きな雲だな』なんて言わなかったら、みんな足を止めないで家に帰ってたんだから! 早く、みんなを連れて帰ろうよ〜」
男「ええ〜。僕のせいになるんだ、この状況。でも、あんまり遅くなってもいけないし、確かにそろそろ帰った方がいいかもね」
妹のお願ごとには弱い兄は、しかたないなと苦笑まじりの笑みを浮かべながら、雲を見上げる少年達の元へと混じっていく。そして、すぐに彼らを連れて一人待つ妹の元へと戻った。
以下略
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2012/12/05(水) 17:37:53.51 ID:RLjbm7yt0
道草を食うのを終えた数人の子供達は一列に並んで家へ向かって歩いていた。
鼻歌を歌ったり、元気に腕を振ったり、時にはよそ見をして足を止めたり。
日はまだ空高くにあり、つい先日降り終わった雨で溜まった水たまりを消すように少しずつ蒸発させていた。
むしむしとした暑さが漂っていたが、それでも子供達は元気だった。
辺境の地にある小さな村。そこに住む人は数えられるほどで、そこに住む大人達の大半は少し離れた場所にある街へと出稼ぎへと出かけている。
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2012/12/05(水) 17:38:38.09 ID:RLjbm7yt0
少年A「でも、お前の父ちゃん月に一度は帰ってきてるじゃんか」
少年B「ああ、あれ? うちの父ちゃんさ、母ちゃんに会えねえのが寂しくて毎月帰ってきてるんだよ。もう帰ってきた日なんて家にいずらくてさ。二人だけの空間? そんなんできちゃって、逆に帰ってこなくていいって思うくらいだよ」
少年A「そ、そうなのか……お前も大変だな〜。そう考えると男の家が一番いいかもな。だっていつも家にいてくれるんだし」
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2012/12/05(水) 17:39:05.68 ID:RLjbm7yt0
男「そんなことないよ。ウチなんて全然……。優しいって言っても父さんなんて家の中じゃホントに威厳がなくていつも母さんに叱咤されてるし。
母さんだってうっかりしているところがあって料理を作りすぎちゃうことがあるだけだよ」
少年A「……って言ってるけど実際のとこどうなの妹ちゃん」
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2012/12/05(水) 17:39:24.43 ID:cqGQ/OKso
そっこら待ってたぁぁあああああ!!
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2012/12/05(水) 17:39:37.51 ID:RLjbm7yt0
からかうのにちょうどいい相手を見つけた二人の少年はすぐさま男を茶化した。
男も初めは彼らの言葉をただ黙って聞いているだけで、反論も何もしなかったが、あまりにも少年たちがからかいの言葉を投げかけたせいか、とうとう我慢の限界が来て大声を上げて反抗した。
男「だあああああぁぁぁっ! もう、この話終わり! 次に変なこと言ったら怒るから!」
以下略
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2012/12/05(水) 17:40:05.33 ID:RLjbm7yt0
男「ただいま〜」
帰宅の言葉を口にして家の中へと入る男。扉を開けてまず最初に感じたのは食欲を唆る香ばしい匂い。奥からはグツグツとスープを煮込んでいる音が聞こえてくる。
母「おかえりなさい、二人とも。疲れたでしょ? もう少しでご飯できるからゆっくりして待ってなさい」
以下略
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2012/12/05(水) 17:40:49.09 ID:RLjbm7yt0
元気良く返事をして妹は家の隅にある水釜へ汲んできた水を流し込んだ。男もまた置いていた水桶を手に取り水釜の横へと置いた。
男「そういえば父さんの姿が見えないけれどもしかしてまだ畑にいるの?」
母「そうよ。でも、そろそろ帰ってくると思うわ。お父さんが帰ってきたらご飯にしましょう」
以下略
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