過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/05(水) 18:07:21.74 ID:RLjbm7yt0
傷エルフ「俺たちはお前達人への復讐を果たすために動き出した。憎き人を殺すためならば我らはもはや何もためらいはせぬ。だが、皆殺しにしてしまっては意味がない。この憎しみを他の人間共にも知らしめる必要がある。
そのために、一人だけこの村の住人を生かす事に俺たちは決めた。
そして今、この村で生き残った住人はお前達二人だけだ。さあ、選べ。己か、もう一人か。どちらを生かすのかを」
理不尽な、しかし避けようのない選択を突きつけられて男は泣き出しそうになった。自分か、妹か。生き残れるのは一人。確実にどちらかは死ぬ事になる。
以下略
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2012/12/05(水) 18:08:41.24 ID:RLjbm7yt0
男(僕が、決めるしかない。このままじゃ二人とも殺されちゃう)
究極の選択を前にして男は決断した。それは……
男「僕が……」
以下略
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2012/12/05(水) 18:09:30.43 ID:RLjbm7yt0
男「ぼく……は、兄です。妹を……まもら、ないと、いけないん、です。お母さんにそう……言われたから……」
嗚咽を漏らしながらエルフの質問に答える男。それを見て何故かエルフは感心したように頷いた。
傷エルフ「ほう、この状況で俺が言っている事が嘘でないと分かっていてなお己の身を差し出すのか。面白い……」
以下略
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2012/12/05(水) 18:09:58.18 ID:RLjbm7yt0
覚悟を決めて目蓋を閉じようとした時、張り裂けるほどの声を上げて自分の名を呼ぶ妹の声が聞こえた。彼女の顔はやはり男と同じように涙に塗れ、くしゃくしゃに歪んでいた。
妹を心配させまいと、最後に残った力で必死に笑顔を作ろうとする。
男「だ、だいじょうぶ……にいちゃんは……だいじょうぶだから」
以下略
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2012/12/05(水) 18:10:28.87 ID:RLjbm7yt0
……
…
だが、いつまで経っても己に来るはずの痛みや死の感覚は訪れなかった。
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2012/12/05(水) 18:11:31.07 ID:RLjbm7yt0
理解できない。本来ならば生きているはずの妹が目の前で死んでいた。傷エルフが妹の前に立ち、喉を切り裂いていた。血が、血が、血がダラダラと、ドクドクと、溢れている。
笑う傷エルフ。倒れる妹。そして、男はその場に力なく崩れ落ちた。
傷エルフ「どうだ? 命よりも大事な者を奪われる苦しみは。これが、俺たちが味わってきた痛みや、苦しみだ」
以下略
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2012/12/05(水) 18:11:57.12 ID:RLjbm7yt0
ゆさゆさと妹の肩を揺らし、何度も声をかける男。だが、その言葉に妹が応えることはなかった。
男「だめ、だよ。こんなところで寝てたら怒られるよ。あんまり遅くまで外にいると家の中に入れてもらえないんだから」
既に燃え尽きている自宅を眺めながら男は呟く。だが、妹は応えない。
以下略
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2012/12/05(水) 18:12:35.69 ID:RLjbm7yt0
――施設――
虚ろな瞳で、表情の変わらない少年がいた。身寄りをなくし、行き場のない子供達の集まる施設。その施設で他の子供達がそれぞれ身体を動かして遊んでいる中、ただ一人少年だけが彼らの輪に混じることなく一人でいた。
その瞳に宿るのは己の大切の者達を奪っていった者へ対する憎悪。そして、果てしない喪失感。
彼の頭にあるのはただ、復讐のみ。
以下略
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2012/12/05(水) 18:14:09.66 ID:RLjbm7yt0
ひとまずこれで男の過去〜少年編〜は終わりになります。次で今あるストックは最後になります。
話としては途中で止まっていますが、その続きは今日の時間がある限りは書いていこうと思います。
男の過去〜喪失編〜です。よろしくお願いします。
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2012/12/05(水) 18:24:21.68 ID:RLjbm7yt0
全てを失ったあの日から一年が経った。復讐のため、男は何度も、何度も軍部の門を叩いた。だが、子供のすることをいちいち相手にするほど軍の人間も暇ではなく、いつも門前払いを受けて施設へと男は帰らされるのだった。
しかし、追い返されても毎日居座り続ける男に門番もとうとう観念したのか、男が門の前で何かする分には文句を言わなくなった。
門番「なあ、そろそろ帰る時間だぞ」
以下略
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