過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/05(水) 18:29:57.84 ID:RLjbm7yt0
女魔法士「あながち間違いでもないのが悲しいです。うぅ、私の人生どうしてこうなったんでしょう」
男槌士「泣くでない、愚痴なら男弓使いが酒場で幾らでも聞いてくれるからのう」
男弓使い「ちょっと待て。どうしてそうなる」
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2012/12/05(水) 18:30:50.44 ID:RLjbm7yt0
他のみんなが歓談している中、女隊長は一人窓際の席にてじっと外を見つめていた。軍部の三階に存在する食事場の窓からは施設に入る前からずっと門の前に座り続けている少年の姿が目に入る。
まるでこの世界から拒絶され、たった一人で絶望を抱え込んだような目をした少年。それでいて、その瞳の奥深くには鋼鉄のような堅い意思が感じられた。
見るものを引き込む、燃え上がるような熱い意思。見覚えのあるその眼差しに女隊長は不覚にも魅入られた。
幼いながらにして世の中に絶望してしまう人は確かに存在する。それ自体はそう珍しい事はない。しかし、絶望を抱きながらも諦めず、目標を見定め前に進もうとしている者をあの年頃の子供で見たのは初めてだった。
だからだろうか、女隊長は初めて会ったばかりの、それも言葉すら交わしていない少年の事がやけに気になってしょうがなかった。
以下略
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2012/12/05(水) 18:31:36.29 ID:RLjbm7yt0
女槍士「ちょっと、女隊長。しっかりしてよ! そんなにあの子が気になるのならちゃんと話してきたらどう?」
女槍士の言葉に、それまでそれぞれ会話を繰り広げていた各自の口が塞がり、両目が一斉に女隊長の元を向いた。
女隊長「べ、べつに気になってるわけじゃ……」
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2012/12/05(水) 18:32:14.02 ID:RLjbm7yt0
男剣士「遠慮なんてらしくねーぞ。だいたい、お前あの男の子が気になって全然飯進んでねえじゃねえか。
うちの食事は明るく、楽しくがモットーだろ? そんな悩まれても飯が不味くなるから、とっととあの子のところに行ってこい」
そう言って、男剣士は女隊長の腕を掴んで部屋の外へと連れ出した。拒絶の言葉を男剣士に投げかける女隊長だったが、抗議も虚しく、ずるずると部屋の外へ放り出されてしまった。
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2012/12/05(水) 18:32:40.48 ID:RLjbm7yt0
男剣士「まったく、相も変わらずうちの隊長はよ〜」
男弓使い「なんと言うか、変なところで優柔不断で」
男槌士「強情というかなんというか」
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2012/12/05(水) 18:33:18.98 ID:RLjbm7yt0
日が徐々に暮れ始め、周りを歩く人々が帰路につき始める。手を繋いで明るい笑みを浮かべる親子もそんな人々の中にいた。そんな親子を座り込んだまま虚ろな瞳で男はジッと見つめていた。
知らず、あの日に枯れ果てたはずの涙が身体の奥底からにじみ出そうになるのを感じた。もう取り戻す事のできない懐かしい日々を思い出して、自然と身体が反応したのだろう。
弱いままでいたくなくて、何もできずに涙を流す事しかできない自分が嫌だった。変わりたいと思ってこの一年身体を鍛えたり、こうして軍部の前に居座り続けたが己は何か変わったのかと自問する。
だが、答えは返ってこない。変わったといわれれば一年前に比べて少しは筋力も付いただろう。だが、それだけなのだ。エルフ達と戦う力などまだまだない。それどころかそのエルフ達と戦うための場に出る事すらもできていない。
結局、自分は一年前から変化していない。子供だからという理由で守られて、虚勢を張り続けてきた。そして、心のどこかでその理由に甘えてきた。
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2012/12/05(水) 18:33:56.21 ID:RLjbm7yt0
不意に頭上から声がかけられた。それは少し前にこの軍部の中に入っていった女性の声だった。陽気で、緊張感なんてまるでなく、へらへらと笑っていた女性。女隊長という名で呼ばれていた女性だ。
先程と同じく無視をしようかと男は思った。しかし、一向に己の傍を離れる気配のない女性に苛立ち、つい荒っぽい返事をしてしまった。
男「泣いてない! 僕の事は放っておいてどっかいってくれよ」
以下略
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2012/12/05(水) 18:34:25.36 ID:RLjbm7yt0
女隊長「ねえ、顔あげてよ。君はどうしてこんなところにずっと座り込んでるの?」
拒絶してもなお傍に居続ける女性に嫌気がさし、顔をあげて睨みつける男。そんな彼を見て女性はクスリと笑みを浮かべた。
女隊長「ほら、やっぱり泣いてる。どうしたの? 私でよければ話を聞くよ?」
以下略
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2012/12/05(水) 18:34:59.78 ID:RLjbm7yt0
男「なんで、わかるの?」
不思議そうにする男に女隊長は、
女隊長「ん? それはね……」
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2012/12/05(水) 18:35:53.26 ID:RLjbm7yt0
女隊長「あっ! やっと笑った。さっきまでの顔より今の方が君にはずっと似合ってるよ」
そう言って女隊長は顔に当てていた手を引き、男の前に差し出した。
女隊長「私は女隊長っていうんだ。君の名前は?」
以下略
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