過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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680:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:55:14.00 ID:RLjbm7yt0
男「もしかしたら僕はまだみんなと一緒に行動するほど力がないんじゃないかって思ったんだ。あの時の試験だってギリギリだったよね。本当は駄目だってどこかで思ってた。
 女隊長は合格だって言ってくれたけど……本当はって思っちゃって」

本当の実践を経験し、自分が努力して覚えてきた魔法が簡単に破られた事、そしてそれによって仲間を窮地に立たせてしまった事が余程ショックだったのだろう。日中男が浮かない顔をしていたのはそれが原因だった。
自分はまだ皆と共に戦える力はなく、情けで戦いに参加させてもらっているのではないだろうか? そんな考えばかりが浮かんでしまっていたのだ。
以下略



681:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:55:44.64 ID:RLjbm7yt0
再び訪れる沈黙。すれ違うそれぞれの意見。少し口を出しすぎたと男が後悔をし始めた頃、今度は女隊長が話を始めた。

女隊長「私ね、弟がいたんだ」

男「えっ?」
以下略



682:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:56:14.31 ID:RLjbm7yt0
女隊長の話を聞いて男は自分に似ていると感じた。そして、今彼女の隣にその弟の姿がないことからも、この先に待ち受けている結末にも勘づいてしまった。

女隊長「でもね、子供がいつまでも逃げられるわけもなくてね、私と弟は途中でエルフに捕まったんだ。
 それまで、私はずっと弟の手を繋いでた。どこに行くのにも、なにをする時も。私がお姉ちゃんなんだから弟を守ってあげなきゃって思ってたんだ。
 だけど、いざ死を目の前にした時に私は怖くなったんだ。死にたくない、死にたくないって思った。そして、繋いでたその手を……離しちゃったんだ」
以下略



683:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:56:47.67 ID:RLjbm7yt0
それを聞いて、男はハッとした以前軍部の前に座り込んでいた自分の心情を言い当てた女隊長に理由を尋ねたことがあった。あの時は内緒とはぐらかされていた。だが、そうではなかったのだ。
彼女は自分だったのだ。だからこそあの時の自分の心情が手に取るように分かったのだと男は思った。

女隊長「それからは頑張って軍に入れるまでの間自分にできることをやって、こうして今軍に所属している。今の私にはもったいないくらいの仲間にも恵まれた。もちろん、男もね。
 強くなくたっていいんだよ、一人でできることなんて限られているんだから。だからこそ、仲間がいるんだしね。男は今できることを頑張るだけでいいんだよ。もしそれで失敗しても、私たちが助けてあげるから。それが、仲間でしょ?」
以下略



684:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:57:16.34 ID:RLjbm7yt0
女隊長「あ、でも私男に一つ謝らないといけない事があるんだ」

男「なに?」

女隊長「実は私ね、男のこと何度か弟と重ねてた。特に、隊に入った当初は。今の男の歳が近いって言うのもあったからなおさら、ね。だから無意識のうちに子供扱いしちゃったりしたりもしたと思う。
以下略



685:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:57:51.78 ID:RLjbm7yt0
女隊長「うっわぁ……男って本当に母性本能をくすぐるね」

うずうずと身を震わせる女隊長を見て男は不思議に思う。別段変な事を言ったつもりはなかったのだが、何か気を悪くさせただろうかと心配になる。
それから女隊長は唐突に立ち上がり、周りを見渡し、起きているものが誰もいない事をいないことを確認すると、再びしゃがみ込み、先程よりも更に男との距離を縮める。

以下略



686:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 18:58:17.42 ID:RLjbm7yt0
女隊長「そ、それじゃあお休み男! 見張りよろしくね!」

止める間もなく去って行く女隊長。男の意識は未だ現実に戻っておらず、別の次元へと旅立っていた。無意識のうちに視線が空へと向かう。満点の星々がそこには煌めいていた。
しばらくして、ようやく己が女隊長にキスをされたのだと理解した男。初めてのキスを感覚に戸惑い、同時に感動しながら悶々とする。当然、見張りに集中できるはずも無かった。
そして、本能のまま男に対して行動を移した女隊長も気づいていなかった。やってしまった! という思いからすぐさま男の元から離れた彼女だったが、次の見張り番のために男が彼女の元にくることをすっかり忘れていたのだ。
以下略



687:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 19:00:06.98 ID:RLjbm7yt0
>>592
見落としてましたw そっこら!そっこら!

さて、ひとまずこれで現在あるストックは全て出し尽くしました。今から少し休憩して、その後この続きを書いていこうと思います。ゆっくりペースになりますが、どうぞよろしくお願いします。


688:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/05(水) 19:27:24.00 ID:z0S5nnFUo
久しぶりにきたら超大作になってた


689:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/05(水) 20:46:11.94 ID:RIVz40PIO
ここからか


690:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/05(水) 23:01:28.57 ID:YNI1Bhpl0
もう結末書いてるのにここまで伸ばす話も珍しい

もっと続いて


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