過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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875:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/19(水) 03:32:48.04 ID:rzqgzBqc0
暗闇に染まる街中を男は一人駆け回った。暗い路地裏、食事場の店裏、寒さを凌げそうな橋の下。行き場をなくした人間が行きそうだと思うところを手当たり次第に探した。だが、一向に少女は見つからない。

男「……どこだ、どこにいる?」

 既に人が寄り付かないところはあらかた探し終えた。あの格好だ、普通の人であれば哀れみこそすれ関わろうとはしないはず。まして、周りに対して拒絶の姿勢を示している少女であれば自ら進んで他者と関わるような真似もしないだろう。
 だからこそ男は人が寄り付かなさそうなところを重点的に探していたのだがどこにも少女の姿はなかった。このまま闇雲に少女の行方を追っても仕方ないと一度宿へと帰ろうとする。
 だが、その途中。予想に反して男は少女を見つけることになった。

男「……あっ」

 そう、それはあまりに意外な場所であった。街にあるいくつもの宿屋の一つ。男が宿泊しているそれとは別の宿屋前に少女はいた。
 虚ろな瞳で、他者への拒絶はそのままに。どこか遠く、自分の手に届かないものを見るかのように建物の中、窓の向こう側にある明るい世界を少女はそっと眺めていた。

 たった一人で……。



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