過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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877:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/19(水) 03:34:33.25 ID:rzqgzBqc0
 本当ならば叫び出したいほどの痛みであるにも関わらず、男はそれをグッと堪え、少女をなだめた。だが、それでも少女は先ほどよりも強く、強く男の手を噛み続けた。
 少女の気が収まるまで必死に苦痛に耐える男。痛みのせいか、顔からは脂汗が滲んでいた。
 そして、そんな男の態度に少女も疑問を抱いたのか、手を噛む力がほんのわずかに弱まった。
 どうしてこの男性は逃げ出さないのだろう?
 どうしてこんなにも優しく自分を包み込もうとしてくれているのだろう?
 もしかして、この人は敵ではないのかもしれない。
 そんな考えが少女の脳裏に浮かんだ。だが、次の瞬間に思い出したのは自分を裏切った二人の人間の姿。愛している。そう言っていたはずなのに自分を裏切り、捨てた肉親の姿を……。
 怒りに駆られ、憎しみに呑まれ、少女は再び男の手に歯を食い込ませた。そして、空いていた両手の爪で自分を抱きしめる男の背中を何度も何度も引っ掻いた。
 長い間手入れもされず伸びきった爪は服越しに男の背中の皮を削り、やがて血を流した。
 だが、それでも男は少女を離そうとはしなかった。

男「……」

 もう男は何も言わなかった。ただ、黙って少女の行動を許していた。

少女「ううぅっ! うぅっ」

 初めは怒りの呻きを上げていた少女。だが、しばらく男に対して敵対行動を示した後、その様子に変化が訪れた。



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